限局性前立腺癌患者に対する低線量率密封小線源療法

著者の結論: 

低線量率密封小線源療法は、根治的前立腺摘除術に比較して5年目に生化学的無再発生存率の低下を示さなかった。短期の重度有害事象では、低線量率密封小線源療法は尿失禁について有意に有利であったが、根治的前立腺摘除術は尿刺激症状について有意に有利であった。エビデンスは1件のバイアスリスクの高いRCTに基づいている。

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背景: 

限局性前立腺癌は、大多数の罹患男性で長年にわたって緩徐に成長する腫瘍である。低線量率密封小線源療法(LDR-BT)は、低エネルギーの放射線源を用いる近接放射線療法である。LDR-BTは低リスク限局性前立腺癌患者に推奨されている。

目的: 

限局性前立腺癌患者を対象に、根治的前立腺摘除術(RP)、外照射療法(EBRT)、および無一次治療(NPT)と比較したLDR-BTの利益と有害性を評価すること。

検索方法: 

2010年6月に、Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL)、MEDLINE (1950年~)、EMBASE (1980年~)、オンライン試験登録簿およびレビューの参照文献リストを検索した。

選択基準: 

臨床的限局性前立腺癌患者を対象にRP、EBRT、NPTとLDR-BTを比較したランダム化比較試験

データ収集と分析: 

研究方法、参加者、治療レジメン、観察期間およびアウトカムに関するデータを2名のレビューアが別々に記録した。

主な結果: 

1件のRCT(200例、平均フォローアップ68カ月)のみ同定した。本試験はLDR-BTとRPを比較していた。バイアスリスクは高いと考えられた。主要アウトカム(総生存率、死因別死亡率、または無転移生存率)の報告はなかった。フォローアップ5年目の生化学的無再発生存率について、LDR-BT[78/85(91.8%)]とRP[81/89(91.0%);P = 0.875;相対リスク0.92(95% CI: 0.35~2.42)]との間に有意はなかった。フォローアップ6ヵ月目に報告された重度の有害事象の結果では、尿失禁についてLDR-BT[0/85(0.0%)]の方がRP[16/89(18.0%)]に比べて有利で(P<0.001;相対リスク0)、尿刺激症状についてRPの方が有利であった[LDR-BT68/85(80.0%)対RP4/89(4.5%);P<0.001;相対リスク17.80、95% CI 6.79~46.66]。尿路狭窄の発現に群間で有意はなかった[LDR-BT2/85(2.4%)対RP6/89(6.7%);P = 0.221;相対リスク0.35、95% CI 0.07~1.68]。長期の情報は入手できなかった。患者報告のアウトカム、機能、不便ならびに一般的健康に関する生活の質 について、治療群間で平均スコアに有意を同定しなかった。

訳注: 

監  訳: 吉田 雅博,2011.11.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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