術後肝細胞癌に対するアデホビルジピボキシル併用下および非併用下でのラミブジン

著者の結論: 

術後のHCCを対象とするアデホビルジピボキシルの併用下および非併用下におけるラミブジン投与の有益効果有害作用については、ランダム化試験からエビデンスを見出すことはできなかった。臨床実践に向けて、多数の参加者と長期追跡期間によるランダム化臨床試験を実施すべきである。

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背景: 

肝細胞癌(HCC)は重大な死亡原因であり、特にアジアとサハラ以南のアフリカで際立っている。初期HCCの場合、手術や他の手技による癌の除去がファーストライン治療と考えられているが、HCCの再発が術後の主な問題とされている。HCCの主なリスク因子はB型肝炎ウイルス(HBV)感染である。ラミブジンおよびアデホビルジピボキシルはウイルス負荷を抑制し、肝の線維化を抑えるため、慢性肝炎に有効であり、忍容性がある。

目的: 

HCCの外科治療を受け、慢性HBV感染またはHBV保菌者状態にある参加者を対象に、アデホビルジピボキシルの併用下または非併用下における術後ラミブジン投与の利益と有害性を評価する。

検索方法: 

2011年10月に、Cochrane Hepato-Biliary Group Controlled Trials Register、コクラン・ライブラリのCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASEおよびScience Citation Index Expanded(SCI Exp)のシステマティックな検索を実施した。このほかにも当該論文の参考文献リストを精査し、さらなる試験データの取得に努めている。

選択基準: 

出版物のステータス、言語、盲検化を問わず、(手術または他の手技によって)HCC切除した慢性HBV感染またはHBV保菌者状態にある参加者を対象に、アデホビルジピボキシルの併用下または非併用下においてラミブジン投与を比較検討したランダム化臨床試験を本レビューに組み入れることになっていた。検索結果を取り出したら、準ランダム化試験またはコホート研究から有害性に関するデータを抽出するよう計画していた。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが解析に組み入れるための研究を別々に選択した後、データを抽出して解析した。有害事象の種類と件数は記述的に報告されている。

主な結果: 

本システマティック・レビューにランダム化試験を組み入れることはできなかった。このため、事前に発表されているプロトコルを遵守することはできず、メタアナリシスを実施することもできなかった。 ランダム化臨床試験の検索を通じて、230例の参加者が組み入れられた4件のコホート研究を抽出した。有害性、すなわち有害事象に関するデータを検出するため、これらのコホート研究に目を通した。ブレイクスルー肝炎は、ラミブジンに起因する重篤な有害事象であった。4件のコホート研究では、ラミブジンまたはアデホビルジピボキシルの投与が原因で生じたと考えられる他の有害事象は報告されていない。

訳注: 

監  訳: 吉田 雅博,2012.4.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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