脳卒中後の運動機能改善を目的としたミラー療法

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著者の結論: 

以上の結果から、脳卒中後の患者の上肢の運動機能、日常生活動作および疼痛の改善に、少なくとも通常のリハビリテーションの補助となるものとして、ミラー療法が有効であることを裏付けるエビデンスが示される。これらに限界があるのは、選択したほとんどの研究サンプル・サイズが小さかったこと、脳卒中のリハビリテーションに通常では利用されない介入が対照とされたこと、また研究のいくつかの方法論的な限界のためである。

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背景: 

ミラー療法は脳卒中後の運動機能を改善させるために利用される。ミラー療法では、患者の正中矢状面に鏡を置き、非麻痺側の動きがあたかも患側であるかのように反映される。

目的: 

脳卒中後の患者において、運動機能、日常生活動作、疼痛および視空間無視の改善を目的とするミラー療法の有効性を要約すること。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group's Trials Register(2011年6月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ、2011年第2号)、MEDLINE(1950年~ 2011年6月)、 EMBASE(1980年~2011年6月)、CINAHL(1982~2011年6月)、AMED(1985~2011年6月)、PsycINFO(1806年~2011年6月)およびPEDro(2011年6月)を検索した。さらに関連性のある学会議事録、試験および調査登録をハンドサーチすると共に、参考文献リストを確認し、試験実施者、研究者および当該研究分野の専門家に連絡を取った。

選択基準: 

脳卒中後の患者を対象として、ミラー療法を対照介入と比較したランダム化比較試験(RCT)およびランダム化クロスオーバー試験

データ収集と分析: 

レビューア2名が選択基準に基づき独立して試験を選択し、試験の方法論的な質を明らかにし、データを抽出した。連続変数については標準化平均差(SMD)として結果を分析した。

主な結果: 

ミラー療法とその他の介入法を比較した参加者計567例からなる研究14件を選択した。その他すべての介入と比較して、ミラー療法は運動機能に対して有意な効果があるようである[介入後のデータ:SMD 0.61、95%信頼区間(CI)0.22~1.0、P = 0.002;変化のスコア:SMD 1.04、95%CI 0.57~1.51、P < 0.0001]。しかし、運動機能に対する効果は対照介入の種類の影響を受ける。このほか、ミラー療法は日常生活動作も改善するようである(SMD 0.33、95%CI 0.05~0.60、P = 0.02)。疼痛についても有意な陽性効果を認めたが(SMD-1.10、95%CI -2.10~-0.09、P = 0.03)、これは患者集団の影響を受けている。視空間無視の改善を裏付けるエビデンスは限定的であった(SMD 1.22、95%CI 0.24~2.19、P = 0.01)。運動機能に対する効果は6カ月後の経過観察時の評価でも安定してみられた。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2012.7.24

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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