脳卒中患者の眼球運動障害に対する介入

著者の結論: 

脳卒中後の眼球運動障害患者に対する介入の有効性について結論を出すにはエビデンスが不十分であった。適切に計画されたランダム化試験による質の高い研究が緊急に必要である。

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背景: 

70%を上回る脳卒中患者が眼球運動障害に罹患する。これらの眼球運動障害により、正常な眼位を維持することが困難となり、適切に眼球を動かすことが困難となる。その結果起こる機能障害は、深径覚の欠如、手‐眼球協調の低下、近接業務と読書の著明な困難、視覚環境走査能力の低下である。これらはリハビリテーション療法の有効性にも影響する。脳卒中後の眼球運動障害に対して提案されている治療的介入は多種多様にわたる。しかし、これまで脳卒中患者の機能的アウトカムに対する介入の影響に関するエビデンスは欠如している。

目的: 

眼球運動障害に対する介入が脳卒中後機能に及ぼす効果を検討すること。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(2011年2月)、Cochrane Eyes and Vision Group Trials Register(2009年12月)およびCENTRAL(コクラン・ライブラリ2009年第4号)、MEDLINE(1950年~2009年12月)、EMBASE(1980年~2009年12月)、CINAHL(1982年~2009年12月)、AMED(1985年~2009年12月)、PsycINFO(1967年~2009年12月)など9つの電子文献目録データベースを検索した。また参考文献リストおよび試験登録を検索し、雑誌および学会抄録をハンドサーチし専門家に連絡を取った。

選択基準: 

脳卒中後成人を対象に、眼球運動障害の改善を特異的な目的とした介入または参加者の眼球運動障害に対処する能力を改善する介入を実施しているランダム化試験主要アウトカムは日常生活動作における機能であった。副次アウトカムは、拡大日常生活動作における機能、眼球運動測定、平衡機能、転倒、うつまたは不安、脳卒中後の退院先または居住地、生活の質と社会的孤立、有害事象、および死亡であった。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に抄録を調べ、データを抽出し、試験を評価した。割りつけの隠蔵化、アウウトカム評価者の盲検化、欠測データの処理法、その他に可能性のあるバイアス源について方法論的質評価を実施した。

主な結果: 

2件の研究(参加者28例、脳卒中患者は5例のみ)が選択基準を満たし本レビューに組み入れた。両研究とも、脳卒中患者における眼球運動障害に対する薬物的介入を検討していた。データ統合は適切ではなかったことから、これらの研究から結論は出せなかった。脳卒中患者における眼球運動障害に対する介入を検討している他のランダム研究はなかった。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2012.2.7

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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