高リスク新生児の親の援助を目的とした遠隔医療

遠隔医療により、情報技術を用いて同じ部屋にいない親と医師または看護師がコミュニケーションをとることができる。新生児集中治療室で治療を受けている病児の親は、その乳児の状態が悪い場合や家に乳児を連れて帰る場合、多大な援助を必要とする。遠隔医療は、親への援助の対応を医師および看護師が改善するのに有用であろう。本レビューで1件の試験を同定したが、遠隔医療により、これらの乳児の入院期間が変化するとは示されなかった。しかし、本研究での発表データに不明瞭なところがあるため、遠隔医療が有用かそうでないか確実な推奨を行うことは困難であった。

著者の結論: 

集中治療を受けているハイリスク新生児の親を援助するための遠隔医療技術の使用を支持する、あるいは否定するエビデンスは不十分であった。NICUの乳児の親・家族を援助する遠隔医療の適用について、入院期間およびNICU治療に対する満足度を主要アウトカムとして評価する臨床試験が必要である。

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背景: 

遠隔医療とは、医療従事者と親との距離が離れている場合、電子的コミュニケーション技術を用いて親にケアを提供するものである。NICUに入院した乳児の親と家族は、医療従事者から情報および時間という点で多大な援助を必要とするが、遠隔医療によりこの援助を手厚くできる可能性がある。

目的: 

集中治療を受けている新生児の家族を援助するための遠隔医療技術の使用が、入院期間および親/家族の満足度に影響するか評価すること。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ2011年第8号)、MEDLINE(1966年~2011年9月)、EMBASE(1980年~2011年9月)のデータベースを検索した。ウェブサイトのClinicalTrials.gov(http://www.clinicaltrials.gov)およびEudraCT(http://eudract.emea.eu.int)も検索した。 Canadian Society of Telehealth、American Telemedicine Association、International Society for Telemedicine、Annual Conference of The International e-Health Association、American Medical Informatics Association、MedInfの学会抄録も検索した。

選択基準: 

新生児集中治療室(NICU)で治療を受けた乳児の親の援助のためデザインされた遠隔医療の使用を、標準的援助方法と比較して評価したランダム化比較試験(RCT)を同定することとした。主要アウトカムは入院期間で、副次アウトカムは親とスタッフの満足度、退院後の緊急来院、乳児の健康関連資源の家族の利用であった。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に研究を調査し、データを抽出し、Cochrane Neonatal Review Groupの標準的方法を用いて選択した研究バイアスリスクを評価した。固定効果モデルを用いて、適宜治療効果リスク比(RR)、リスク(RD)、治療必要数(NNT)、平均差(MD)で示すこととした。

主な結果: 

本レビューでの解析に1件の研究を選択した。本研究では、NICU乳児の親・家族への遠隔医療(Baby Carelink)の使用をこのプログラムとのアクセスのないコントロール群と比較し、乳児の入院期間および乳児のケアの複数の要素における家族の満足度を評価していた。本研究では、入院期間のは示されなかった[平均入院期間:遠隔医療群68.5日、標準偏(SD)28.3日;コントロール群70.6日、(SD)35.6日、MD -2.10日、95%信頼区間(CI)-18.85~14.65日]。家族満足度指標の解析については情報が不十分であった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.10.31

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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