糖尿病性筋萎縮症の免疫系に作用する治療法

レビューの論点

免疫療法は糖尿病性筋萎縮症の有効かつ安全な治療法か?

背景

糖尿病性筋萎縮症は、神経根を含む広範囲な腰仙髄領域の糖尿病性末梢神経・根障害、大腿部における糖尿病性神経障害、ブルンス・ガーランド(Bruns-Garland)症候群などとも知られており、糖尿病患者に見られる珍しい末梢神経(脳や脊髄以外の神経)の障害である。この疾患は、足、主に太ももの前面の筋肉に痛みと筋力の低下を引き起こす。研究者の中には、血管が炎症を起こし、それが神経への血液供給を妨げていると指摘する人もいる。免疫細胞を標的とした薬が有効である可能性がある。

研究の特徴

75人の患者がメチルプレドニゾロンまたはプラセボを投与された1件の研究のみが見つかったしかし、その結果は完全には公表されておらず、さらに精査することはできなかった。出版された抄録には、有害事象の報告はなかった。現在のところ、免疫療法がこの症状をもつ患者に有効であるかどうかを示すエビデンスはない。

副腎皮質ホルモンや免疫グロブリン、または他の免疫系に作用する治療法が糖尿病性筋萎縮症の治療に効果があるかどうかは、臨床試験の結果を待つ必要がある。

検索結果は2016年9月までのものである。

訳注: 

《実施組織》堺琴美、冨成麻帆 翻訳[2021.10.21]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD006521.pub4》

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