糖尿病性筋萎縮症に対する免疫療法

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免疫システムに働く、副腎皮質ステロイド、免疫グロブリンや他の治療が糖尿病性筋萎縮症に有用かを示す、試験による結果が待たれる。 糖尿病性筋萎縮症または糖尿病性腰仙骨神経根ニューロパチーは、糖尿病に関連したまれな末梢性神経障害である。これにより下肢に疼痛および脱力が起こる。一部の研究者は、血管近傍に炎症細胞を認めこれらが神経への血液供給を阻害すると示唆し、炎症細胞を減少させる薬物が有用であると提案している。1件の終了した試験のみ認めたが、結果は十分に発表されておらず解析に使用できなかった。検索を2012年に更新しその後追加された試験を認めなかった。免疫療法が本疾患の人に利益があるかを示すエビデンスは試験から現在認められない。

著者の結論: 

糖尿病性筋萎縮症において何らかの免疫療法の使用を推奨することを支持するエビデンスは、ランダム化試験からは現在認められていない。

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背景: 

糖尿病(DM)の人は、急性、亜急性の、下肢近位筋の進行性非対称性の疼痛および脱力を呈することがある。本病態について、糖尿病性筋萎縮症または糖尿病性腰仙骨神経根ニューロパチーなどの多様な名称が挙げられている。神経の虚血性損傷を引き起こす免疫が媒介する炎症性微小血管炎が原因と示唆する研究がみられる。したがって免疫療法が有用であると予想されている。これは、2009年発表の最初のレビューの更新である。

目的: 

糖尿病性筋萎縮症の治療における、あらゆる免疫療法の有効性に関しランダム化試験によるエビデンスをレビューすることを目的とした。

検索方法: 

Cochrane Neuromuscular Disease Group Specialized Register(2012年2月7日)、CENTRAL(2012年第1号)、MEDLINE(1966年1月~2012年1月)、EMBASE(1980年1月~2012年1月)を検索し、関連性のある発表の著者と他の専門家に連絡を取り、その後追加された参考文献、未発表試験および進行中の試験を入手した。

選択基準: 

以下の条件をすべて満たす参加者を対象にしたあらゆる免疫療法のランダム化、準ランダム化試験すべてを選択することとした:国際的に認識された基準により定義した糖尿病、急性または亜急性発症の主として下肢近位筋にみられる疼痛および下位運動ニューロン脱力、1神経または神経根分布に限定されない脱力、腰仙骨神経根障害と神経叢障害の他の原因の除外。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが、選択基準を満たす試験を選択するため、検索で回収したすべての参考文献を別々に検討した。

主な結果: 

糖尿病性筋萎縮症を対象にメチルプレドニゾロンの静脈内投与を用いた1件の終了した比較試験(Dyck 2006)のみを認めた。結果は十分に発表されておらず解析に使用できなかった。2012年の検索更新でその後追加された試験を認めなかった。

訳注: 

監  訳: 相原 智之,2012.10.31

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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