細菌性腟炎治療のためのプロバイオティクス

細菌性腟炎(BV)は、妊娠可能年齢の女性における性器不快感の最大の原因の一つである。この疾患は、優勢な乳酸桿菌の減少やその他の種類の細菌の異常増殖により、正常な膣の微生物集合体の不均衡が生じた場合に起こる。推奨された抗菌薬を用いたこの疾患の治療は、治療の失敗や高い再発率に関連することも多い。このことにより、治療法としてプロバイオティクス菌株を用いて減少した乳酸桿菌と置き換えるという概念が生まれた。本レビューでは、BVの治療にプロバイオティクス製剤単独または抗菌薬との併用のどちらかを用いることに関するエビデンスについて検討した。既存の研究では、BVの治療において、プロバイオティクスが抗菌薬の有効性より優れている、または有効性を高めるという決定的なエビデンスは得られていない。加えて、治療の成功を確実にしたり、再発を減らしたりする手段として、抗菌薬治療の前、治療中または治療後のいずれかにプロバイオティクスを用いることを推奨するためのエビデンスは不足している。BVの治療に対するプロバイオティクスの利益を裏づけるため、標準化された方法論を用いた、大規模で、適切に設計されたランダム化比較試験が必要である。

著者の結論: 

これらの結果からは、BVの治療にプロバイオティクスを推奨する、しないどちらに対しても十分なエビデンスは得られていない。メトロニダゾール/プロバイオティクスレジメンおよびプロバイオティクス/エストリオール製剤は有望であると考えられるが、標準化された方法論および大規模な患者数での、適切に設計されたランダム化比較試験が必要である。

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背景: 

正常な膣の微生物叢における優勢な乳酸桿菌、および細菌性腟炎(BV)における乳酸桿菌の減少により、この疾患の管理に対してプロバイオティクス乳酸菌株を経口投与または膣内注入するという概念が生じている。

目的: 

BVの治療に対するプロバイオティクスの有効性を解明すること。

検索方法: 

発表状態または言語に関わらず、電子データベースを検索した。これらには、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、HIV/AIDS and STD Cochrane Review Groups' specialized registers、Cochrane Complementary Medicine Field's Register of Controlled Trials、MEDLINE(1966~2008年)、EMBASE(1980~2007年)、ISI science citation index(1955~2007年)、CINAHL(Cumulative Index to Nursing & Allied Health Literature (1982~2007年)を含めた。

International Scientific Association of Probiotics and Prebioticsのウェブサイト(http://www.isapp.net/default.asp)上の、専門誌、会議の議事録および出版物リストのハンドサーチを行った。

未発表の試験または実施中の試験について、関連する出版物の著者、栄養補助食品会社およびプロバイオティクス関連科学協会に連絡を取った。実施中の臨床試験に関する電子データベースを検索した。

選択基準: 

用いた診断法にかかわらず、細菌性腟症と診断されたあらゆる年齢の女性の治療に対しプロバイオティクスを用いたランダム化比較試験。プロバイオティクス製剤は、単剤または菌株の「混合物」、あらゆる剤形、投与量、投与ルートが可能であった。プロバイオティクスとプラセボとを比較した試験、従来の抗菌薬との併用によるプロバイオティクスとプラセボとの比較試験またはプロバイオティクス単独と従来の抗菌薬との比較試験を、組み入れに適格とした。

データ収集と分析: 

表題およびアブストラクトを選別し、関連する試験の論文全文を入手し、それらの適格性をそれぞれ評価した。データ抽出フォームを用いて、組み入れた4件の試験のデータを抽出した。2値アウトカムに対し、RevMan(バージョン4.2および5)を用いて各試験に対するオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を導き出した。プロバイオティクス製剤および試験の方法論における有意により、メタアナリシスは実施しなかった。

主な結果: 

解析では、経口メトロニダゾール/プロバイオティクスレジメン(OR 0.09(95% CI 0.03~0.26))およびプロバイオティクス/エストリオール製剤(OR 0.02、(95% CI 0.00~0.47))による微生物学的療法の有益なアウトカムが示されている。プロバイオティクス/エストリオール製剤では、医師が報告した症状消失に対するORおよび95% CIは、OR 0.04(95% CI 0.00~0.56)であった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.27]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
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