局所進行直腸癌を治療するための温熱療法と放射線療法の併用療法

著者の結論: 

化学放射線療法、温熱放射線療法、化学放射線療法+温熱療法をそれぞれ比較するには、十分に選択/実施され、質がコントロールされたランダム化試験でさらなる研究を実施する必要がある。

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背景: 

直腸癌患者には手術が治療選択肢であった。局所進行癌の術後結果は不良で、局所領域の再発率が高く、全生存率のデータも不良であった。予め(化学)放射線療法を実施しておくことで、主に局所領域の再発制御が改善された。術前に放射線療法に温熱療法を加えることで、同等の有益効果が得られる可能性がある。

目的: 

直腸癌の治療において病理学的な著効、全生存率、毒性に関して、化学放射線療法との比較で温熱放射線療法の有益効果を定量的に評価する。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2007年第1号)、Cochrane Colorectal Cancer Groups Specialised Register、MEDLINE(1966年以降)、EMBASE(1974年以降)、CINAHL(1982年以降)を2007年5月まで電子的に検索して、言語を問わず関連性のある第II相およびIII相ランダム化比較試験を同定した。さらに、最近完了した試験および進行中の試験を同定するため、種々の試験データベースを検索した(metaRegister of Controlled Trials、Cancer Research UK, Cancer.gov, The Eastern Cooperative Oncology Group Trials Database)。2007年5月まで同定されたすべての研究を本研究の選択のために考慮した。

選択基準: 

分析には第II相およびIII相ランダム化比較試験のみを含めた。

データ収集と分析: 

独立した2名のレビューアが同定されたすべての研究を評価した。2年、3年、4年、5年生存率、局所腫瘍再発率、重度の急性および遅発性毒性ならびに腫瘍の完全治癒(CR)について、治療効果の加重値を算出した。CRは、臨床的に治療前の局所腫瘍兆候のすべてが消失した場合または病理学的に顕微鏡下で切除断端に癌細胞遺残がみられない場合のいずれかと定義された。リスク比(RR)およびハザード比(HR)を用いた。リファレンス・マネージャー(RevMan)を用いて分析を実施した。

主な結果: 

1990年~2007年までに発表されたRCT(ランダム化比較試験)6件が同定された。患者計520例が治療されており、放射線単独療法群(RT)に258例、放射線療法-温熱療法群(RHT)に262例が割り付けられた。研究4件(患者424例)で全生存率(OS)が報告されていた。2年後のOSはRHT群の方が有意に高かったが(HR 2.06;95%CI 1.33~3.17;P=.001)、このは期間が長くなるにつれ消失した(3年、4年、5年OS)。1件を除くすべての研究でCR率が報告されていた。RHT群はCR率が有意に高かった(RR 2.81;95%CI 1.22~6.45;P=.01)。研究2件のみで急性毒性に関するデータが報告されていた。これらの2研究では、RT群とRHT群との間に有意はみられなかった。遅発性毒性のデータは報告されていなかった。

訳注: 

監  訳: 柴田 実,2009.11.16

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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