合併症を伴わない肝切除に対するルーチンの腹腔内ドレナージ

著者の結論: 

合併症を伴わない肝切除後のルーチンのドレイン使用を支持するエビデンスはない。

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背景: 

待機的肝切除後にドレインを挿入する主な理由は以下の通りである。(i)横隔膜下または肝下の液貯留の予防、(ii)術後出血の確認および監視、(iii)胆汁漏出の確認およびドレナージ(iv)肝硬変における腹水貯留の予防。しかし、ドレイン使用により合併症の発現率が上昇するとの報告がある。

目的: 

待機的肝切除におけるルーチンの腹腔内ドレナージの利益および有害性を評価する。

検索方法: 

2007年3月までのCochrane Hepato-Biliary Group Controlled Trials Register、コクラン・ライブラリのCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASEおよびScience Citation Index Expandedを検索した。

選択基準: 

待機的肝切除を施行した成人患者において腹腔内ドレナージと無ドレナージとを比較したすべてのランダム化試験を含めた。また、待機的肝切除を施行した成人患者において異なる種類のドレナージを比較したランダム化試験も含めた。

データ収集と分析: 

試験の特性、試験の方法論の質、死亡率、罹病率、変化率、手術時間および入院期間に関するデータを各試験から収集した。Cochrane Collaboration 統計ソフトウェアRevMan Analysisを用いて、固定効果モデルおよびランダム効果モデルの両モデルによりデータを解析した。各アウトカムについて、必要に応じて固定効果モデルまたはランダム効果モデルを用いて試験データセットを統合し、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出した(ITT解析に基づく)。

主な結果: 

ドレナージと無ドレナージとの比較患者465例をランダム化した5件の試験を含めた。内234例はドレナージ群、231例は無ドレナージ群。5件の研究中3件は方法論の質が高かった。ランダム効果モデルを用いた場合に、いずれのアウトカム(死亡率、再手術を要する腹腔内液貯留、腹腔内貯留液の感染、創傷感染、腹水漏出および入院期間)についても両群間で統計学的な有意はなかった。開放ドレナージと閉鎖式ドレナージとの比較1件の方法論の質が低いランダム化臨床試験では開放ドレナージと閉鎖ドレナージとが比較されており(患者186例)、閉鎖ドレナージ群で腹腔内貯留液の感染、胸部合併症の発現率が低く、入院期間が短かった。

訳注: 

監  訳: 内藤 徹,2007.10.5

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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