成人および小児の慢性喘息に対するシクレソニドとプラセボとの比較

著者の結論: 

吸入ステロイドによる治療歴のある軽度から中等度の喘息患者の肺機能を改善させる上で、シクレソニドはプラセボよりも短期的には有効であった。依然として用量反応に関する疑問があり、増悪に対する長期的影響および安全性プロフィルに関するデータが不足している。将来の研究においてこれらの問題に対処する必要がある。

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背景: 

吸入副腎皮質ステロイドは喘息管理に不可欠な要素であり、気道において抗炎症薬として作用する。これらの薬剤は、症状の管理および肺機能の改善という点で有意な利益をもたらすと同時に、局所および全身の副作用という点で害も引き起こす。シクレソニドは効率的な分布および放出特性を有する新規のステロイドであり、このことは1日1回の服用が可能であり、継続的な喘息管理に有用であり得ることを意味する。

目的: 

慢性喘息の成人および小児における吸入シクレソニドの有効性を評価すること。

検索方法: 

事前に設定した用語でCochrane Airways Group register of trialsを検索した。CENTRALおよびPubMedを追加検索した。今回のレビューのために2007年6月まで文献検索を行った。

選択基準: 

ランダム化並行またはクロスオーバー研究を本レビューに適格とした。シクレソニドをプラセボと比較した研究、およびさまざまな用量のシクレソニドを比較した研究を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自にレビューの対象とする研究を評価し、データを抽出し、相互の作業をチェックした。その後追加されたデータを入手するために研究者に問い合わせた。抽出したデータをRevMan4.2に入力し、連続データについては固定効果平均差、二値データについては固定効果リスク比として解析した。

主な結果: 

18件の試験(20の研究比較を報告)が本レビューの選択基準に合致した。データを入手できた18群の比較(参加者6343例、うち1692例が小児)からの知見を報告する。シクレソニドとプラセボとの比較:選択した研究が短期間であるということは、シクレソニドが喘息の増悪に及ぼす影響に関するデータが欠けていることを意味する。軽度から中等度の喘息において、100mcg/d以下から400mcg/dまでの用量で、シクレソニドはプラセボと比較して肺機能、喘息の症状および応急処置のための吸入器使用を改善させた。用量反応アウトカム:100と200mcg/dとの比較、100と400mcg/dとの比較および400と800mcg/dとの比較の結果、肺機能アウトカムに有意はなかった。十分に詳細な有害事象データは入手できなかったため、本薬剤の安全性プロフィルの評価はできなかった。

訳注: 

監  訳: 曽根 正好,2008.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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