大腸癌肝転移に対する切除と介入なしまたはその他の外科的介入との比較

著者の結論: 

本レビューの対象とした1件の研究においては、一方の介入が他方よりも有効であることを支持するエビデンスは非常に限定的である。肝転移の管理において、局所的な焼灼療法は有用である可能性があるが、上記の治療選択肢の有効性、ならびにそれらの無病生存率の上昇および再発率の低下における潜在的役割をさらに評価する必要がある。

アブストラクト全文を読む
背景: 

50%に上る大腸癌患者が転移を発症し、その半数は孤立性肝転移で、10%から25%が切除の適応となる。病変がすべて切除されれば、このような患者の5年生存率は30%から50%である。治療の選択肢には、肝切除ならびに凍結手術およびラジオ波焼灼療法を用いたその他の方法がある。これらの新たな治療法により、外科的介入を必要とせずに肝転移の安全な焼灼が可能であるが、肝転移のある大腸癌患者の適切な管理についての明確なガイドラインは未だ存在しない。

目的: 

肝転移を伴う大腸癌の外科切除の効果を、介入なし、ならびに凍結手術およびラジオ波焼灼療法を含むその他の介入方法と比較し、評価すること。

検索戦略: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials、MEDLINE、EMBASEおよびLILACSのデータベースを検索し、2011年6月14日に更新した。

選択基準: 

結腸または直腸の腺癌に対する治癒切除術を受け、肝切除の適応となった(すなわち、その他の部位の原発癌または転移性癌のエビデンスがない)参加者を対象に、肝転移に対する切除とその他の外科的介入を比較したランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に試験の質を評価し、データを抽出した。

主な結果: 

本レビューでは、123例(男性87例、女性36例)を対象としたバイアスのリスクが高い1件の試験のみを選択した。10年間のランダム化比較試験のデータから、凍結手術は肝転移の治療に有効である可能性が示唆される。凍結手術を受けた患者は、従来の外科手術と比較して、10年無病生存率が高いことが研究者により報告された。

Tools
Information