過蓋咬合と上顎前歯舌側傾斜を有する小児の矯正治療(レビュー)

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著者の結論: 

小児のアングルII級2類不正咬合に対する、いくつかある矯正治療法に関して、エビデンスに基づいて、どのような治療法が推奨できる、あるいはやめた方がよいというような指針を示すことは出来なかった。

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背景: 

咬み合わせが深く上顎前歯が舌側傾斜している(アングルII級2類)不正咬合を解決するには、いくつかのタイプの矯正治療法が考えられる。重篤な症例では、矯正治療を併用した外科手術が必要となることもある。成長期の小児においては、上下の歯に装着する可徹式の特殊な矯正器具(機能的矯正装置)が使用されることもある。この機能的矯正装置を用いた治療においては、永久歯の抜歯を行わないことが多い。しかし、しばしば、よりよい治療結果を得るために、後になって固定式の装置を用いて、さらに矯正治療を行うことが必要となることが多い。一方、他の治療法では、上顎前歯を改善するためのスペースを作るために、上顎第1大臼歯を後方へ移動することを治療の目的とすることもある。この様な治療は、頭に装着する矯正器具(ヘッドギア)を用いて、頭の後方部から歯や上顎に力をかけて、この力を口腔内に装着した固定式または可徹式の装置に伝えることによって達成される。この上顎第1大臼歯を後方へ移動する治療では、永久歯の抜歯が必要な場合とそうでない場合がある。さらに、ある治療例では、機能的矯正装置、ヘッドギアともに必要とせず、また永久歯の抜歯もしない治療が行われることもある。また、他の治療例では、ヘッドギアを使うかわりに、上顎の後方の歯をその位置に維持させるために、口蓋をまたいだ、あるいは口蓋前方部に位置する、後方歯2本に接着されるバンドに連なるパラタルアーチが用いられることもある。この様な治療例では、しばしば、上顎歯列の中ほどにある左右の永久歯1歯ずつの計2歯が、前歯を治療するためのスペースを得るために抜歯されることが多い。矯正医にとっても、このII級2類不正咬合を有する小児の矯正治療において、永久歯の抜歯をしないで治療した場合の治療結果が、矯正をまったくしなかった場合、あるいは抜歯をして矯正治療を行った場合の結果との間に何か違いがあるかどうかを明らかにすることは重要である。

目的: 

アングルII級2類不正咬合の小児の矯正治療において、永久歯の抜歯をしないで治療した場合の治療結果が、矯正を全くしなかった場合、あるいは抜歯をして矯正治療を行った場合との間にどのような違いがあるかを明らかにすること。

検索方法: 

The Cochrane Oral Health Group’s Trial Register, the Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL), MEDLINE ならびにEMBASEが2008年6月までに関して検索された。出版形式や使用出版言語に関する制限は行わなかった。アングルII級2類不正咬合の臨床研究に関わっていそうな国際的な研究者にも連絡をとって、未発表あるいは現在進行中の研究があるかどうか確認した。

選択基準: 

以下の基準を満たす研究が選択された。すなわち、小児の過蓋咬合と舌側傾斜した上顎前歯の矯正治療に関する、ランダム化比較試験(RCTs)と比較臨床試験(CCTs)。

データ収集と分析: 

適切な研究スクリーニング研究の手法の質に関する評価およびデータの抽出は、2人のレビュー担当著者らによって二重に、また独立して行われた。結果については、連続変数アウトカムに対しては平均値のを用い、また、二値変数アウトカムに対しては危険率を用いて、95%の信頼区間で、ランダム効果モデルとして表された。不均一性については、臨床的および方法論的な要因を含めて分析した。

主な結果: 

小児におけるII級2類不正咬合を評価するRCTあるいはCCTは認められなかった。

訳注: 

監  訳: 加治 彰彦,毛利 環,JCOHR,2011.12.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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