経膣分娩を補助するための器具の選択

著者の結論: 

鉗子やすべてのタイプのventouseには、実地臨床において認められた役目がある。どの器具を選択しても術者訓練の役割を強調しなければならない。選択する器具を鉗子から金属カップ、ハンドヘルドの柔らかいカップ吸引にするにつれて分娩失敗のリスクが高まること、および本レビューで同定された母親の外傷のリスクと新生児外傷のリスクの間のトレードオフを、器具を選択するに際して考慮する必要がある。

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背景: 

器具による、すなわち補助経膣分娩は、母または乳児、あるいは母子双方の利益のため出産を促す目的で一般的に用いられているが、時に母子双方に対して有意な合併症を伴う。器具の選択は臨床状況、術者の選択、特定器具の入手のし易さに影響されると思われる。

目的: 

経膣分娩を達成し、母子に対し有意な罹病率を回避することに関して、様々な器具を評価する。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerを検索した(2010年5月31日)。

選択基準: 

様々な器具を用いた補助経膣分娩のランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に試験の質を評価し、データを抽出し、これらデータが正確かどうかチェックした。

主な結果: 

32件の研究(6597例の女性)を本レビューに選択した。鉗子はventouse(吸引器具)よりも、割りつけられた器具を用いて経膣分娩を達成できない可能性が低かった(リスク比(RR)0.65、95%信頼区間(CI)0.45~0.94)。しかし、鉗子で帝王切開がより多い傾向があり、第3~4度の裂傷(会陰切開あり/なし)、膣外傷、全身麻酔使用、ガス失禁、尿自制の変化が有意に多かった。顔面外傷は鉗子でより可能性が高かった(RR 5.10、95%CI 1.12~23.25)。研究間に異質性があったためにランダム効果モデルを用いると、鉗子で頭血腫症例がより少ない傾向があった(平均RR 0.64、95%CI 0.37~1.11)。様々なタイプのventouseの間で、金属カップは柔らかいカップよりも経膣分娩を成功させる可能性が高く、頭皮損傷や頭血腫の症例がより多かった。ハンドヘルドのventouseで、金属ventouseよりも失敗が多く、柔らかいventouseよりも少ない傾向があった。全体では、鉗子や金属カップは経膣分娩を達成するのに最も有効なようであるが、鉗子による母体外傷のリスクがより高く、金属キャップによる新生児外傷のリスクがより高かった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.7.12

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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