出産後の子宮痙攣/子宮復古痛軽減に対する鎮痛

著者の結論: 

アスピリンを含む非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は、経腟分娩後の子宮痙攣/復古による疼痛軽減について、プラセボより良好であった。NSAIDsはパラセタモールより良好で、パラセタモールはプラセボより有効ではなかったが、これらの比較での参加者数は少なかった。オピオイドとNSAIDsとの比較、ならびにオピオイドとプラセボとの比較について、一方は同程度の効果を示し、他方はNSAIDsの方がオピオイドより良好で、オピオイドはプラセボより良好ではないと示しているため、データが一致していない。子宮痙攣/復古による疼痛の軽減におけるオピオイドの有効性に関して結論を出すには、データが不十分であった。選択した研究の発表年の中央値は1981年であったことから、経腟分娩後の子宮痙攣/復古による疼痛の軽減について、現在の薬物による鎮痛および非薬物による鎮痛の有効性を評価する、より多数の研究が必要である。

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背景: 

女性は、子宮復古に関連する後産痛痙攣など、出産後に様々な種類の疼痛および不快感を経験する。

目的: 

経腟分娩後の後産痛の軽減に対する鎮痛の有効性および安全性を評価すること。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group’s Trials Register(2010年12月31日)と、試験およびレビュー論文の文献リストを検索した。

選択基準: 

経腟分娩後の後産痛の軽減のための、2種類の鎮痛使用、プラセボに対する鎮痛使用、無治療に対する鎮痛使用を比較している、同定されたすべての発表、未発表ランダム化比較試験。鎮痛の種類は、薬物および非薬物による鎮痛であった。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に試験の質と抽出データを評価した。

主な結果: 

18件の研究(女性1,498例)が選択基準に合致した。しかし、鎮痛と他の鎮痛、またはプラセボとの比較24件を報告しメタアナリシスに含むことのできるデータを有していたのは、選択した研究のうち9件(女性750例)のみであった。研究の大多数は薬物による鎮痛を検討しており、これらを本レビューでは薬効で分類した。非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は、summed pain intensity differences(SPID)[平均差(MD)4.34、95%信頼区間(CI)2.87~5.82、3研究、女性204例]およびsummed pain relief scores(MD 5.94、95% CI 3.83~8.01、3研究、女性204例)による評価で、子宮復古による疼痛の軽減についてプラセボより有意に有効であった。NSAIDsは、23例の女性におけるSPIDとsummed pain reliefを報告している小規模研究において、オピオイドと比較されているが、は認められなかった。女性127例の大規模な1件の研究では、研究の介入して6時間後での疼痛強度低下について、NSAIDsの方がオピオイドより有意に有効であったという結果であった(MD-0.70、95% CI -1.04~-0.35)。メタアナリシスに含むことが可能であった3研究でオピオイドはプラセボと比較されていた。23例の女性のSPIDとsummed pain reliefを報告している小規模な1研究ではを認めなかった。95例の女性の1研究では、研究の介入開始から6時間後の疼痛強度にを認めなかった。108例の女性の3番目の研究では、オピオイド群に比べてプラセボ群の方が、疼痛の軽減なしと報告した女性が有意に多かった(リスク比0.10、95%CI 0.04~0.23)。研究介入して6時間後に子宮復古による疼痛の軽減について疼痛強度を評価した場合、アスピリンはパラセタモールに比べて有意にいい結果を示した(MD 0.85、95%CI 0.29~1.41、1研究、女性48例)。女性48例の1件の研究では、研究介入して6時間後に疼痛強度を評価した場合、パラセタモールはプラセボに比べて良好ではなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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