成人の慢性歯周炎の治療のための全顎除菌法

この日本語訳は最新版ではない。英語の最新版をご覧になるにはここをクリックしてください。
著者の結論: 

中等度のポケット深さを持つ患者について、ポケット減少やプロービング付着の回復に関してわずかに好ましい結果が、コントロール群に比較してFMD群において見いだされた。しかしながら、このような改善はほんのわずかなものであったし、そのような比較をする上で利用できる研究の数も極めて限られていた。従って、全顎除菌を行うことの臨床的なメリットについて一般的な結論を導き出すことにも制限がかかってしまう。

アブストラクト全文を閲覧
背景: 

治療効果を高めようとする試みの一環として、除菌歯周治療という新しいプロトコールが導入されつつある。

目的: 

歯周炎に対して通常行う1/2顎単位のスケーリングと比較して、全顎除菌あるいは全顎スケーリングの有効性を評価すること。

検索方法: 

データ・ソースは電子データベース、ハンドサーチした専門誌、エキスパートたちとのコンタクトを含んでいる。The Cochrane Oral Health Group Trials Register、the Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINEそれにEMBASEが検索された。関係のありそうな論文からの参考文献リストは精査された。さらに、適正な研究の著者たちとは、研究の妥当性を確認したり、追加情報を入手するためにコンタクトをもった。最新の検索日:2006年12月まで。(CENTRAL)(The Cochrane Library 2006, Issue 4)

選択基準: 

ランダム化比較試験は少なくとも3ヵ月の追跡データをもつ試験から選ばれ、24時間以内の全顎のスケーリングとルート・プレーニング処置に補助的手段として消毒薬(クロルヘキシジン)を使用したFMD群、あるいは使用しなかったFMS群と、通法どおり1/2顎単位でのスケーリングおよびルート・プレーニングを行った群(コントロール)とを比較した。一連の研究の方法論的なクオリティは、データ抽出フォームの中で、主としてランダム化の方法、割り付けの隠蔽化、検査者の盲検、追跡の完遂に焦点を絞りながら、評価された。

データ収集と分析: 

データの抽出と質の評価は、複数のレビュー著者によって独立に行われた。主要アウトカム指標は歯の喪失、副次的アウトカム指標はプロービングデプスの減少、プロービング時出血の減少、それにプロービング・アタッチメントの獲得であった。The Cochrane Collaborationによる統計的ガイドラインに従って行われた。

主な結果: 

本検索では216件の抄録が同定された。これらの抄録をレビューした結果、詳細なレビュー用に12件の出版物が得られた。最終的に、適正さの基準を満たした7つのランダム化比較試験(RCTs)が、2人のレビュー著者によって独立に選択された。選出されたどの研究にも歯の喪失を報告したものはなかった。すべての治療方法は、少なくとも3ヵ月の追跡後における臨床的なパラメータの有意な改善をもたらした。副次的アウトカム指標では、プロービングデプスが、単根歯の中等度の深さのポケットにおいて、FMD群とコントロール群との平均値のは0.53mm(95%信頼区間は0.28から0.77mm)であり、中等度の深さのポケットをもつ単根歯あるいは複根歯におけるプロービングアタッチメントの回復が、0.33mm(95%信頼区間は0.04から0.62mm)であった。FMD群とFMS群を比較した場合、複根歯の深いポケットに対するプロービング付着の回復を調べたある研究では平均値のは、0.74mm(95%信頼区間は0.17mmから1.31mm)でFMS群が優位なデータであったのに対して、それとは別のある研究は、短根歯の深いポケットに対するプロービング時の出血減少(率)の平均のは18%(95%信頼区間は-33.74%から-2.26%)でFMD群が優位となるデータを報告していた。FMS群と対照群を比較した場合には、あらゆる評価項目について有意は見いだせなかった。

訳注: 

監  訳: 岡村 和彦,内藤 徹,JCOHR,2008.4.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

Share/Save