急性気管支炎と中薬(中医学の薬草療法)

中国で一般的に使用されている伝統的な中薬(中医学の薬草療法)の急性気管支炎に対する治療効果を評価した。ランダム化比較試験(RCT)から、中薬が急性気管支炎の治療に有効であることを示すエビデンスは得られなかった。

6877名の参加者を治療群に無作為に割り付けた74件の試験を特同定した。しかし、選択基準を満たす真のRCTは特同定されなかった。除外理由の多くは、選択バイアスのリスクが高いこと、および利益相反であった。これらの試験デザインの限界があるため、急性気管支炎に対する中薬の効果について、結論づけることができなかった。さらに、毒性学的エビデンスが欠如しているため、中薬の安全性は不明である。いくつかの症例報告で軽微な胃腸反応、皮膚発疹などの有害事象が報告されているが、今回除外した、いわゆる「ランダム化」試験では報告がない。将来的に質の高いRCTが必要である。

著者の結論: 

急性気管支炎に中薬の常用を推奨するには、質の高いデータが不足している。各試験試験デザインの限界は、急性気管支炎に対する中薬の有効性について結論づけられないことを意味している。さらに、これらの中薬には毒性学的エビデンスが欠如しているため、中薬の安全性は不明であるが、いくつかの症例報告有害事象が報告されている。

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背景: 

急性気管支炎は、一次診療で最も多い診断名のひとつである。従来は抗菌薬で治療しており、(有効性のエビデンスは弱く、最高でも中等度)、他の治療法はさらに効果が劣る。中薬(中医学の薬草療法)も治療に用いられる。

目的: 

本レビューの目的は、非複雑性急性気管支炎の治療における中薬の比較有効性および比較安全性に関する既存のエビデンスを要約することである。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL) (<1>The Cochrane Library</1> 2011年4号)を検索した。これにはCochrane Acute Respiratory Infections Group's Specialised Register、MEDLINE (1966年〜2011年9月19日)、EMBASE (1988年〜2011年9月19日)、CNKIおよびChinese Biomedical Database (CBM) (1980年〜2011年9月19日)が含まれる。

選択基準: 

非複雑性急性気管支炎の治療に対し、中薬とプラセボ、抗菌薬または他の西洋医学薬を比較したランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2名以上のレビュー著者がそれぞれデータ抽出を行い、試験の質を評価した。

主な結果: 

本改定版レビューでは、6877名を対象とした74試験がRCTとして報告された。いずれのRCTも本レビューの選択基準を満たしていなかった。74試験のうち39件はRCTではなく、35件は介入群と対照群で異なる中薬を用いていた。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.1.19]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
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