脳卒中患者の上肢に対する非麻痺側上肢抑制療法(constraint-induced movement therapy)

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著者の結論: 

CIMTは多方面にわたる介入である。正常肢の拘束は、一定量の適切な質の運動を伴う。治療期間の終了時に評価された機能障害は中等度に軽減していた。しかし、治療終了から数ヵ月後に評価した機能障害に対しては、持続的な利益を示すエビデンスはなかった。大規模なサンプル・サイズおよび長期追跡を伴う今後のランダム化試験が正当化された。

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背景: 

脳卒中患者の場合、上肢麻痺は多くの日常生活動作に影響を及ぼす。従って、機能障害を軽減させることが、不全片麻痺患者に対するリハビリテーションプログラムの主目的となる。非麻痺側上肢抑制療法(constraint-induced movement therapy [CIMT])は、非麻痺側上肢を拘束することにより麻痺側上肢を強制的に使用させて集中的に訓練する脳卒中リハビリテーションのための最新のアプローチである。

目的: 

不全片麻痺患者の上肢管理におけるCIMT、修正CIMT(mCIMT)、または強制的使用(FU)の有効性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group trials register(最終検索2008年6月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2008年第1号)、MEDLINE(1966年~2008年6月)、EMBASE(1980年~2008年6月)、CINAHL(1982年~2008年6月)、およびPhysiotherapy Evidence Database(PEDro)(2008年6月)を検索した。

選択基準: 

CIMT、mCIMTまたはFUを、その他のリハビリテーション技法または無リハビリテーションと比較したランダム化コントロール試験(RCT)および準RCT(qRCT)。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独立に、選択基準および除外基準に従って、同定した試験を分類し、方法論の質を評価し、データを抽出した。主要アウトカムは機能障害であった。

主な結果: 

619例の参加者からなる19件の研究を含んだ。試験には、麻痺側上肢の運動能力が多少残存し、運動回復の可能性があり、疼痛や痙縮は限られているが、上肢をほとんど使用していない傾向または全く使用していない参加者が含まれた。5件の研究のみで適切な割り付けの隠蔽化が行われた。研究のほとんどが検出力不足であり(対象とした患者数の中央値は15例であった)、小規模試験バイアスを排除できない。6件の試験(患者184例)は介入直後の機能障害を評価しており、0.36の有意な標準化平均差(SMD)(95%信頼区間(CI)0.06~0.65)を示した。上肢運動機能(373例の患者を対象とした11件の研究)は最も頻繁に報告されたアウトカムであり、そのSMDは0.72(95%CI 0.32~1.12)であった。2、3ヵ月追跡後の機能障害の改善を検討した研究は2件しかなく、有意は認められなかった(SMD -0.07、95%CI -0.53~0.40)。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2010.2.10

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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