統合失調症に対する24時間ケア

統合失調症は、長期に渡る慢性の疾患であり、世界的に生涯有病率は約1%である。障害が起きる割合が高く、統合失調症の患者、介護者、および医療サービスにかかる負担は大きい。統合失調症を持つ人々の大半は地域でうまく暮らしていけるようになるが、一部はセルフケアやその他の日々の生活面で、手助けや催促を必要とする。多くの国々で、このような人々は病棟の長期滞在患者になってしまう。このレビューは、入院以外の24時間ケアについて、その経済的コストと利用した人々の生活の質を、入院している人々と比較して調べることを目的としている。22人が参加して2年間行われた1件の試験が特定された。試験は英国で行われていた。全員ではないが、ほとんどの参加者が統合失調症を持っていた。参加者の半数は、1人の心理士と十分な人数の看護師および看護助手によって、24時間ケアが提供される 「家」に住むよう割り付けられた。スタッフは食事の準備を手伝い、居住者と食事を共にすることとされ、一方居住者は、家事やセルフケア課題についてのプログラムに取り組んだ。心理士は参加者一人一人と共に、社会的な交流や行動の改善に取り組んだ。コントロール群は、作業療法・産業療法(industrial therapy)・レクリエーション施設が利用可能な、通常の入院ケアを受けた。コントロール群の人々は、一時帰宅が許されており、退院したり、ホステルや刑務所に移ったりしても群の一員として数えられた。統計的な比較を行うために必要な数値が提供されていなかったため、データの大部分は解釈が難しかった。「家」に居住したうちの3人は、再入院する必要があり、他の数人は病院でのショートステイを利用した。「家」に居住した人々は、公共施設を利用する傾向が有意に強く、社会的で前向きな活動(セルフケア、集団での食事)により多くの時間を使ったと報告された。 その他の測定値はすべて、2群間で差は無かったと報告された。2群それぞれでかかった費用は同程度であったが、「家」にいた人で病院を全く利用しなかった人々の費用を計算すると、少し安くなっていた。この研究は小規模で、よく設計されたものではなかった。24時間ケアが人々にとって有益かという疑問には、より大規模で、しっかりと設計された試験を行うことで答えられるだろう。

(このレビューの平易な要約は Janey Antoniou of RETHINK, UK 1www.rethink.orgが作成した)

訳注: 

《実施組織》 五十嵐百花 翻訳, 佐藤さやか 監訳 [2021.3.22] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部(以下、NCNP精研地域部;cochranereview.ncnpcmhl@gmail.com)までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。NCNP精研地域部では最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD004409.pub2》

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