成人および小児における慢性喘息に対するグルタミン酸ナトリウムの回避

グルタミン酸ナトリウム(MSG)は調味料として使用され、「チャイニーズレストラン症候群」に関係しており、顔、頸部、および胸部の圧迫感、灼熱感、または麻痺を引き起こす(ただし、この症候群を証明するエビデンスは得られていない)。喘息患者がMSGにひどく反応する可能性があることも示されている。成人喘息患者24名が参加した2件のランダム化比較試験では、対照品摂取と比較してMSGが喘息を悪化させたというエビデンスは得られなかった。さらなるランダム化比較試験が必要である。

著者の結論: 

得られている限定的なエビデンス(n=24)から、最大で15%または200mL以上のFEV1の減少が認められた参加者数は、MSGと対照負荷とでは有意は認めらないことが明らかとなった。慢性喘息成人患者でMSGの使用を回避することを支持するエビデンスは得られていないが、データが限られていることから、このレビューではMSGの使用回避が有用な方法か判断するための信頼できるエビデンスを得ることはできない。慢性喘息小児患者を対象としたMSGの効果に関する研究は確認されていない。したがって、特に小児ではMSGと喘息の関係を調査するために、さらなるRCTを実施する必要がある。

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背景: 

グルタミン酸ナトリウム(MSG)は非必須アミノ酸であるグルタミン酸のナトリウム塩であり、調味料として用いられている。有害反応の発症に関与しており、「チャイニーズレストラン症候群」として呼ばれてきている。過去20年で、MSGの摂取による喘息反応の誘発性について検討した数多くの研究が実施され、また複数のレビューが発表されてきた(ILSI 1991、Stevenson 2000、Woods 2001)が、メタアナリシスまたはCochraneのシステマティック・レビューは実施されていない。

目的: 

このレビューの目的は以下のとおりである:1)喘息を有する成人および2歳以上の小児におけるMSG摂取および喘息反応のランダム化比較試験(RCT)を特定する、2)これらの試験方法の品質を評価する、3)MSG摂取が喘息の転帰に及ぼす影響を確認する。

検索方法: 

Cochrane Airways group's Specialised Register、Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL)、および現在実施中の試験の参考文献目録を検索した。検索は2012年5月まで最新の状態である。

選択基準: 

成人および小児での慢性喘息に対するMSGの効果を調査したRCTを対象とした。

データ収集と分析: 

2名の著者がそれぞれに対象の研究よりデータ抽出、入力および解析した。追加情報を入手するため、研究の著者に連絡を取った。

主な結果: 

成人24名を組入れた2件のクロスオーバー試験のみが対象基準を満たした。MSGの負荷投与量は1g、5gおよび25mg/kgであった。これら試験では、MSGまたは対照チャレンジの後、努力呼気1秒量(FEV1)の低下が最大で15%または200 mLを超えた参加者数について報告した。統合データからは、MSGとプラセボ投与で統計学的有意は認められなかったことが明らかとなった。1件の試験では、MSGまたはプラセボ負荷投与後4時間にわたる平均変化量を測定したところ、4時間時点でFEV1の最大減少が報告されたが、インターベンションの間に統計学的有意は認められなかった。メタアナリシスの実施が不可能であったが、症状スコア、非特異的気管支過敏症(BHR)、好酸球陽イオン性蛋白質(ECP)または末梢血中トリプターゼ濃度についてMSGと対照品とではは認められなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.2.3]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
 CD004357 Pub4

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