継続して超音波を手に適用することで、関節リウマチ(RA)患者の握力に有益性をもたらす。

超音波は、抗炎症および鎮痛効果に基づくRAの対症療法として 専門の医療従事者により頻繁に選択される治療法の1つである。2件のランダム研究(RCT)の本レビューは手の背側および掌側 に水中で連続的に超音波を 適用したところ、プラセボ治療と比較して握力の増加が示された。この有効性 は併用療法(運動、ワックス浴、感応電流を用いた手浴)では明確ではない。また超音波により、手関節背屈の増大、朝のこわばりの減少、腫脹のある関節数および疼痛のある関節数の減少が得られたが不明確であった。研究数が少ないこと、患者数が小規模であり、また研究の方法に制限が認められたことから、結論は限定的である。

著者の結論: 

レビューアは、運動、感応電流浴およびワックス浴と超音波を併用する治療方法には裏付けがないことから推奨することができないと結論付けた。ただし、超音波は単独で、手に用いて握力を増強させ、また程度は低くまた境界領域の結果に基づく考察ではあるが、手関節背屈を増大し、朝のこわばりの減少、腫脹のある関節数の減少、また疼痛のある関節数の減少を目的に用いることが可能である。方法的な検討から、対象とした研究の品質の乏しさ、臨床研究の実施件数が少ないこと、また研究参加者数が少ないことから、これらの結論は限定的であることに注意することが重要である。

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背景: 

超音波は、関節リウマチ(RA)の対症療法の補助療法としてリハビリテーションの専門家により使用されている。超音波の力学的エネルギーには抗炎症性や鎮痛といった特性がある。

目的: 

RA患者を対象とした疾患活動性の客観的・主観的尺度への超音波 の影響について評価する。

検索方法: 

Cochrane Field of Rehabilitation and Related Therapiesのレジストリ、Cochrane Musculoskeletal Review Groupのレジストリ、MEDLINE、EMBASE、PEDro、Current Contents、Sports Discus、およびCINAHLで包括的な検索を実施した(2001年9月)。検索された文献はすべてハンドサーチによる検索を実施し、内容に関する専門家と連絡を取って追加で研究を特定した。

選択基準: 

ランダム化対照試験および臨床対照試験など、RA患者での比較対照研究を対象とした。言語の制限は設けなかった。アブストラクトのみでも許容した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアがそれぞれ文献検索から候補の文献を特定した 。この2名のレビューアが予め設定した抽出フォームを用いてデータ を抽出した。すべての抽出データについて合意が得られた。品質については、ランダム化の質、二重盲検および脱落例の記述を評価した信頼性の高い5段階評価ツールを用い、2名のレビューアが評価した。

主な結果: 

参加者80名で実施した2件の研究選択基準を満たした。手の掌側および背側に超音波を用いたところ、対照の重み付け平均差(WMD)として計算した握力に有意な上昇が認められた [WMD 28.07 (95 CI:13.37~42.77)]。手の掌側および背側に超音波を用いたところ、次のアウトカム指標に有効な効果が生じたと考えられた:手関節背屈 [WMD 1.90 (95%CI:0.64~3.16)]、朝のこわばりの持続時間 [WMD 28.54 (95%CI:0.18~56.90)]、腫脹のある関節数 [WMD 1.02 (95%CI:0.45~1.59)]、および痛みのある関節数 [WMD 1.20 (95%CI:0.45~1.95)]。 アウトカム指標とした疼痛スコア、握力、近位指節間(PIP)関節の周囲径、関節指数、および可動域または活動レベルについて比較したところa)運動とワックス浴、b)運動と超音波、c)運動、超音波と感応電流を用いた手浴では有意はなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.1.19]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
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