冠動脈疾患に対する回転式経皮経管冠動脈アテレクトミー

アテローム性動脈硬化は、血管内の脂質その他の物質の集積により生じます。この集積物除去のためには回転式経皮経管冠動脈アテレクトミー(PTCRA)として知られる手技などの複数の方法が用いられます。PTCRAは小型の回転式アテレクトミー装置を用いて、選択的に冠動脈血管内から集積したアテローム硬化性プラークを除去します。本レビューでは、PTCRAがバルーン血管形成術に比し、患者アウトカムの改善に優位性を示すか否かを判断しようと試みています。PTCRAがバルーン血管形成術より有益か否かが不明であることから、本レビュー実施は重要です。12件の試験のデータを本レビューで分析したところ、ステント内再狭窄に対するPTCRAのルーチン使用の効果を裏づけるエビデンスは、手術に適さない患者を除き、限定的でした。複雑病変を有する患者に対しPTCRAはバルーン血管形成術に比し利点をもたらすものと思われます。本レビューにより又、PTCRAを受けた患者がバルーン血管形成術を受けた患者より手技実施中に穿孔を生じる可能性がより高いことが示されました。本レビューは試験数が少なく、一部試験で報告データに不足があったため結果は限定的です。

著者の結論: 

従来のPTCAが実施可能であれば、PTCRAによりさらなる利益が得られるとは思われない。ステント内再狭窄に対するPTCRAのルーチン使用を裏づける公開されたエビデンスは限定的で、長期データは存在しない。PTCRA/PTCAは血管形成術単独施行との比較で、主な心臓の有害事象の発現率は高くはなかったが、患者は血管攣縮、穿孔および一過性の血管閉塞を経験する傾向がより高かった。一定状況(心臓手術には不適格な患者、アーキテクチャが複雑な病変を有する患者またはPTCA不成功の病変を有する患者など)では、PTCRAによりその後の手技で十分な血管再形成が得られる場合がある。

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背景: 

本レビューは、2003年のコクラン・ライブラリ第4号に最初に発表された「冠動脈疾患に対する回転式経皮経管アテレクトミー」のレビューの更新である。回転式経皮経管冠動脈アテレクトミー(PTCRA)では、研磨材でできたバーを用いて冠動脈から動脈硬化性プラークのデバルキングを行う。回転させながらバーで選択的に硬化組織を除去する。PTCRAは、バルーン血管形成術の代替手段としてまたはそれと併用して実施され、閉塞したた冠動脈を開通させる。有効性と安全性について、その他の動脈硬化性プラーク除去法との比較をレビューする。

目的: 

複雑でない病変および複雑な病変(長いまたはびまん性の入口部病変またはステント内に生じた病変の再狭窄など)を有する患者の冠動脈疾患に対するPTCRAの効果を評価する。

検索戦略: 

原著レビューでは、Heart Group Specialised Register(コクラン・ライブラリ2001年第2号)および2002年12月までのMEDLINE、CINAHL、EMBASE、およびCurrent Contentsを検索し、関連性のある論文の参考文献リストをレビューした。現レビューでは、2002年から2012年までの同登録を検索し、関連性のある論文の参考文献リストをレビューした。

選択基準: 

PTCRAをプラセボ、無治療またはその他の介入法と比較するランダム化比較試験(RCT)および準RCTを組み入れ、クロスオーバー試験を除外した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にデータを抽出し、同定された試験のバイアスリスクを評価した。2名のレビューアがデータを別々に抽出した。欠測データがある場合は著者に情報提供を依頼した。統計学的要約では、リスク比(RR)および重み付け平均差を用いた。

訳注: 

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