子宮内膜癌に対する子宮摘出後の補助化学療法

著者の結論: 

術後プラチナ製剤ベースの化学療法は、放射線療法の実施にかかわらず、無再発生存および全生存に対しわずかながら利益をもたらす。また、転移リスクを低下させることから、放射線療法の代替となる可能性があり、放射線療法と併用した場合は付加価値を示す。

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背景: 

子宮内膜腺癌(子宮体癌)は子宮内膜の悪性腫瘍の一つである。子宮内膜腺癌は肉腫(子宮筋肉の腫瘍)とは異なるものである。生存は手術後の顕微鏡的転移リスクによって異なる。補助(術後)化学療法は他の腺癌の生存を改善し、また子宮内膜癌は制癌剤療法に感受性があるというエビデンスが得られている。本システマティック・レビューでは、子宮内膜癌子宮摘出後の生存に対する化学療法の効果を検討する。

目的: 

子宮内膜癌に対する補助(術後)化学療法の有効性を評価すること。

検索方法: 

Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ2010年第3号)、2010年8月までのMEDLINEとEMBASE、臨床試験登録、学会の抄録、選択した研究の参考文献リストを検索し当該分野の専門家に連絡を取った。

選択基準: 

補助化学療法を他の補助療法または無治療と比較しているランダム化比較試験(RCT)

データ収集と分析: 

ランダム効果メタアナリシスを用いて、全生存および無増悪生存に対するハザード比(HR)と、死亡率および最初の再発部位を比較するリスク比(RR)を評価した。

主な結果: 

5件のRCTが、無補助療法を子宮摘出後補助化学療法および放射線療法と比較していた。4件の試験がプラチナ製剤ベースの併用化学療法を放射線療法と直接比較していた。2,197例の女性による生存データの無別統合により、補助化学療法による有意な生存優位性が示された[RR(95% CI)=0.88(0.79~0.99)]。現在のプラチナ製剤ベース化学療法レジメンの試験を対象とした感度分析を実施したところ、死亡の相対リスクは0.85であった[(0.76~0.96)、付加的な利益アウトカムに対する治療必要数(NNT)= 25、絶対リスク減少率=4%(1%~8%)]。全生存のHRは0.74(0.64~0.89)で、術後のプラチナ製剤ベースの補助化学療法を有意に支持していた。無再発生存のHRは0.75(0.64~0.89)であった。これは、化学療法がどの打ち切り時点でも死亡リスクを25%低下させることを意味する。化学療法により、骨盤外の最初の再発リスクが低下する[RR = 0.79(0.68~0.92)、絶対リスク減少率5%、NNT = 20]。骨盤再発率の解析は検出力が弱いものの、直接比較で化学療法は放射線療法より有効性が低い[RR = 1.28(0.97~1.68)]が、放射線療法と併用した場合には付加価値がある[RR = 0.48(0.20~1.18)]という傾向が示唆された。

訳注: 

監  訳: 吉田 雅博,2012.2.7

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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