腹腔鏡下大腸切除の短期的利益

著者の結論: 

従来の周術期治療条件下で、腹腔鏡下大腸切除は特定の患者において臨床的に適切な利点を有した。結腸癌の腹腔鏡下切除および従来型切除の長期的な腫瘍学的成績が同等であるならば、結腸切除術にこのアプローチを適用できる患者にはこの腹腔鏡的アプローチを選択すべきである。

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背景: 

大腸切除術は世界中で一般的な外科手術である。腹腔鏡下での大腸手術は、手術予定者の相当数において技術的に実施可能である。大腸切除に対する腹腔鏡的アプローチの幾つかの短期的利点(少ない疼痛、低い罹病率、回復改善、良好な生活の質)が提唱されている。

目的: 

術後短期間(術後3ヵ月間)における腹腔鏡的方法の利点について、腹腔鏡下大腸切除と従来の大腸切除を比較する。

検索方法: 

MEDLINE、EMBASE、CancerLitおよびCochrane Central Register of Controlled Trialsを1991年~2004年まで検索した。以下の雑誌について1991年~2004年までハンドサーチも行った。:British Journal of Surgery、Archives of Surgery、Annals of Surgery、Surgery、World Journal of Surgery、Disease of Colon and Rectum、Surgical Endoscopy、International Journal of Colorectal Disease、Langenbeck's Archives of Surgery、Der Chirurg, Zentralblatt für Chirurgie、Aktuelle Chirurgie/Viszeralchirurgie。以下の学会大会の抄録についても1991年~2004年までハンドサーチを行った。:American College of Surgeons、American Society of Colorectal Surgeons、Royal Society of Surgeons、 British Assocation of Coloproctology、Surgical Association of Endoscopic Surgeons、European Association of Endoscopic Surgeons、Asian Society of Endoscopic Surgeons

選択基準: 

発表言語にかかわらず、すべてのランダム化比較試験を対象とした。非または偽ランダム化試験および2つの介入の内どちらを選ぶかを患者の選択に従った研究は除外したが、これは別に列挙した。抄録のみが発表されたRCTは除外した。

データ収集と分析: 

3名のオブザーバーが独自に事前に設定したデータシートを用いて論文から結果を抽出した。不一致は議論によって解消した。「REVMAN 4.2」を統計解析に用いた。連続変数の解析には平均値の(95%信頼区間)を使用した。研究が平均値と標準偏の代わりに中央値と範囲を報告している場合には、中央値のが平均値のに等しいと仮定した。バラツキの指標が与えられていない場合は、著者からの当該データの入手を試みるか、または推定標準偏を平均値または中央値とした。データを統合し、率のおよび重み付け平均差とそれぞれの95%信頼区間を、ランダム効果モデルを用いて算出した。

主な結果: 

25件のRCTを選択し、解析した。これらの試験のほとんどで方法論的な質は中等度にすぎず、ほとんどの研究における周術期治療は極めて従来型なものであった。手術時間は腹腔鏡下手術の方が長かったが、術中出血は従来の手術よりも少なかった。腹腔鏡下での大腸切除後の方が術後痛が少なく、術後イレウスの期間も短かった。腹腔鏡アプローチ後に肺機能は改善した。全合併症および局所(手術)的合併症は腹腔鏡群で軽減した。全般的な罹患率および死亡率は両群ではなかった。術後30日目まで、生活の質は腹腔鏡群の患者の方が良好であった。術後入院期間は腹腔鏡群患者の方が短かった。

訳注: 

監  訳: 2007.7.18

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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