慢性喘息のためのイオン発生器

喘息患者の症状改善のため、塵埃及び煙粒子を除去する目的で、家庭用イオン発生器が市販されている。複雑な実験室での研究ではイオン発生器が気道機能を変化させることが示されているが、喘息患者の家で実施されたわずかな研究では、肺機能又は症状の改善に有意な利益は見出されなかった。

著者の結論: 

ランダム化比較試験で現在入手可能なエビデンスに基づき、慢性喘息患者の症状低減のために室内イオン発生器の使用の推奨はできない。

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背景: 

過去の報告では空気中のイオン含有量が呼吸機能に影響する可能性があることが示された。喘息症状を低減するイオン発生器の有効性を検討する試験結果は時に結論が得られず、喘息治療のためのその使用には依然として異論が残る。

目的: 

喘息患者に対する陽イオン及び陰イオン発生器の有効性を判断するために入手可能なエビデンスのシステマテックレビューを実施した。

検索戦略: 

Cochrane Airways Group Specialised Register、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)及び代替医療データベースAMEDを検索した。最新の検索は、2012年6月に実施した。

選択基準: 

小児又は成人慢性喘息患者において対象となるイオン発生器をダミーイオン発生器(陽イオン放出器又は陰イオン放出器)と比較するランダム化比較試験(並行群間研究又はクロスオーバーデザイン研究)。

データ収集と分析: 

レビューア2名が別々に、研究の標題及び抄録を評価し、研究の質を評価した。研究の質は、割りつけの隠蔵化と5ポイントJadad尺度によるコクラン・アプローチの2種類の方法で判定した。

主な結果: 

6件の研究を組み入れ対象として選択した(参加者106名)。研究は全てクロスオーバーデザインであったため、結果は結合しなかった。 陰イオン発生器の効果(5件の研究) イオン化空気及び対照空気との間に肺機能の有意差を認めた研究はなかった[午前の最大呼気流量(PEF)‐3件の研究、1秒間の努力呼気流量(FEV1)‐1件の研究)。3件の研究のイオン化空気及び対照空気との間に症状又はβ2刺激薬使用の有意差を認めなかった。 陽イオン発生器の効果(1件の研究) 本研究により、陽イオン空気は運動時FEV1の低下がより大きいが、これは統計的有意に達しなかった。ベースラインFEV1は、治療群間で有意差を示さなかった。

訳注: 

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