成人の尿失禁管理のための習慣再訓練

著者の結論: 

習慣再訓練プログラムの特徴は様々である。プロトコル遵守は介護人にとって問題があると考えられる。レビューした4件の試験からのエビデンスは非常に限られているため、習慣再訓練プログラムに投資に値する失禁の改善があるかどうかは判定できない。

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背景: 

習慣再訓練は、介護者が行う尿失禁のある成人へのトイレ動作介助のひとつである。これには、尿失禁のある人の自然な排尿パターンの同定、および膀胱からの不随意排出を予防するための個別のトイレ動作スケジュールの作成が含まれる。

目的: 

成人の尿失禁管理のための習慣再訓練の効果を評価する。

検索方法: 

Cochrane Incontinence Group Specialised Register(2009年4月2日)、MEDLINE(1966年1月~2004年2月)、EMBASE(1980年~2002年5月)、CINAHL(1982年1月~2001年2月)、PsycINFO(1972年1月~2002年7月)、Biological Abstracts、Current Contents、および関連性のある論文の参考文献リストを検索した。また、本分野の専門家に問い合わせ、関連性のあるウェブサイトを検索し、雑誌および学会予稿集をハンドサーチした。

選択基準: 

成人の尿失禁に対する習慣再訓練単独と別の介入との併用を比較しているすべてのランダム化比較試験または準ランダム化比較試験

データ収集と分析: 

最低2名のレビューアが独自に作業し、データを抽出し、質を評価した。意見の相違は議論により解決した。

主な結果: 

計378例の参加者を対象とした4件の試験選択基準に適合した。これらのうち3件(n=337)は、別のアプローチと併用していた習慣再訓練を通常のケアと比較検討していた(Colling 1992、Colling 2003、Jirovec 2001)。これらの試験の参加者は主に女性であり、平均年齢は80歳、身体的および/または認知機能の障害があり、介護者に依存しており、ナーシングホームまたは自宅のいずれかに居住していた。含めた試験はメタアナリシスを実施するにはあまりに異質であると考えられる。従って、各試験を個別に検討する。主要アウトカムは尿失禁の罹患率および/または重症度である。その他のアウトカムには、尿路感染症、皮疹および皮膚異常のそれぞれの罹患率、ならびに費用、介護者の準備・役割緊張・負担の指標などがある。失禁率については統計学的な有意を認めない。しかし、試験の特徴として、限られたデータ、再訓練レジメンへのコンプライアンスの維持困難、および高い追跡不能率がある。4番目の試験は、さらに高い信頼度で失禁エピソードを同定することを目的として、習慣再訓練の単独を習慣再訓練+電子的モニタリング装置と比較している。41例の参加者(女性25例、男性16例、平均年齢83歳)は急性ケア・リハビリテーション病棟からの参加者であった。データは非常に限られていることから、推定後に信頼できる治療を提供することはできない。しかし、モニタリング群では失禁の重症度が低いことを示す何らかのエビデンスがある。記述データから得られた一貫性のある所見は、排尿記録の維持および習慣再訓練の実施に関与している介護者はプロトコルを遵守することは明らかに困難であることを示唆している。

訳注: 

監  訳: 内藤 徹,2010.4.15

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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