脳卒中における深部静脈血栓症予防のための理学的方法

著者の結論: 

ランダム化試験からのエビデンスは、急性脳卒中後のDVTリスクを減じるためのルーチンのGCS使用を支持していない。急性脳卒中におけるDVTリスクを減じるためのルーチンのIPC使用を支持するにはエビデンスは不十分であり、この介入のリスクと利益のバランスを確実に評価するにはより大規模なIPCのランダム研究がさらに必要である。

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背景: 

深部静脈血栓症(DVT)とその結果生じる肺塞栓症(PE)は脳卒中の重要な合併症である。DVTやPEのリスクを減じるための理学的方法、例えば下腿に用いられる段階的弾性ストッキング(GCS)や間欠的空気圧迫法(IPC)は、一部のカテゴリーの外科患者において、出血リスクを伴わずに、DVTリスクを減じるようである。脳卒中患者におけるこれら理学的方法の効果を評価しようとした。

目的: 

脳卒中を最近起こした患者を対象として、DVT、致死性または非致死性のPE、および死亡のリスクを減じる理学的方法の有効性と安全性を評価する。

検索方法: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(最終検索日2009年11月)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2009年第4号)、MEDLINE(1966年から2009年11月まで)、EMBASE(1980年から2009年11月まで)、CINAHL(1982年から2009年11月まで)、およびBritish Nursing Index(1985年から2009年11月まで)を検索した。すべての関連性のある論文の参考文献リストを選別し、進行中の試験登録を検索し(2009年11月)、当該分野の専門家に連絡を取った。

選択基準: 

脳卒中発症7日以内に開始されたDVTリスクを減じるための理学的方法とコントロールを比較した交絡のないランダム化比較試験

データ収集と分析: 

2人のレビューアが試験を検索し、データを抽出した。

主な結果: 

2615例の患者を対象とした2件のGCS試験と177例の患者を対象とした2件の小規模IPC研究を同定した。全体では、治療期間中のDVT(オッズ比(OR)0.85、95%信頼区間(CI)0.70~1.04)または死亡(OR 1.12、95%CI 0.87~1.45)は理学的方法によって有意に減少しなかった。フォローアップ終了時、GCS使用によりDVT(OR 0.88、95%CI 0.72~1.08)または死亡(OR 1.13、95%CI 0.87~1.47)のリスクは有意に低下しなかった。有意に達しないもののIPCによりDVTリスクが低下する傾向があり(OR 0.45、95%CI 0.19~1.10)、死亡への効果に関するエビデンスはなかった(OR 1.04、95%CI 0.37~2.89)。

訳注: 

監  訳: 江川 賢一,2011.3.25

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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