褥瘡予防のための体圧分散用具

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著者の結論: 

褥瘡発生リスクの高い人は、標準の病院用フォームマットレスではなく高仕様のフォームマットレスの使用が推奨される。高仕様の低圧保持型および圧切替型体圧分散用具の褥瘡予防に対する相対的な利点は不明であるが、英国の状況では、圧切替型マットレスは、圧切替型上敷マットレスより費用対効果が高いと考えられる。医療用シープスキンの使用により褥瘡発生の減少がみられている。手術室では、リスクの高い患者にいくつかの除圧法を使用することを医療機関は考慮してもよい。

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背景: 

褥瘡(bed sores、pressure sores、decubitus ulcersとも呼ばれる)とは、皮膚および深部組織の局所的な損傷部位を指す。高齢者および動くことのできない人によくみられ、経済的および人的な負担が大きい。潰瘍の発生を予防する目的で圧力を軽減する体圧分散用具(ベッド、マットレス、シートクッションなど)が用いられている。

目的: 

本システマティック・レビューは以下の項目を明らかにすることを目的としている。(1)標準的な体圧分散用具と比較して、除圧用の体圧分散用具による褥瘡発生率の減少程度、および(2)褥瘡予防におけるそれぞれ比較した有効性。

検索方法: 

今回の第3回改訂では、Cochrane Wounds Group Specialised Register(2010年12月8日に検索)、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2010年、Issue 4)、Ovid MEDLINE(1950年~2010年11月第3週)、Ovid MEDLINE(In-Process & Other Non-Indexed Citations 2010年12月7日)、Ovid EMBASE(1980年~2010年第48週)、EBSCO CINAHL(1982年~2010年12月3日)、および選択した研究の参考文献の項を検索した。

選択基準: 

患者群または褥瘡の発生率を測定した状況を問わず、褥瘡予防に対する何らかの体圧分散用具の有効性を評価した発表済みまたは未発表のランダム化比較試験(RCT)または準ランダム研究。代替アウトカム(体圧など)のみが報告されている研究は除外された。2名のレビューアが別々に研究を選択した。

データ収集と分析: 

1名のレビューアがデータを抽出し、もう1名がチェックした。適切な場合は、類似する研究からの推定値をメタアナリシスのためにプールした。

主な結果: 

1件の試験が新たに該当し、合計53件の研究が対象となった。標準的な病院用フォームマットレスに代わるフォームマットレスは、リスクのある人の褥瘡発生を減少させる(RR 0.40、95%CI 0.21~0.74)。圧切替型および低圧保持型用具の相対的な利点は明らかではない。質の高い1件の試験では、英国の状況において、圧切替型マットレスが圧切替型敷物よりも費用対効果が高い可能性が示された。2件の研究で上敷フォームマットレスによる有害な皮膚変化が起きたことが示されたが、手術台に除圧上敷フォームマットレスを敷くと術後の褥瘡発生率は低下する。3件の試験のメタアナリシスにより、オーストラリアの標準的な医療用シープスキンが褥瘡を予防することが示された(RR 0.56、95% CI 0.32~0.97)。

訳注: 

監  訳: 飯坂 真司,2011.10.4

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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