小児麻疹に対するビタミンA

麻疹の原因はウイルスで、肺炎などを合併する可能性がある。麻疹は低所得国における小児の主な死亡原因であり、特にビタミンA欠乏症の小児では危険が大きい。本レビューには2574人を対象とした8件の試験を組み入れた。ビタミンAを投与した小児に、有意な死亡率の低下は認められなかった。しかし、ビタミンAを大量投与[200,000国際単位(IU)を連続2日間]した結果、2歳未満の入院小児における麻疹による死亡数が減少した。ビタミンAを2回投与しても費用はそれほど高くないと考えられ、また、有害事象が認められる可能性も低いと考えられる。

著者らの結論によると、ビタミンAの大量投与は2歳未満の小児麻疹による死亡率低下に有用で、投与に関連する有害事象はほとんど認められない。小児における肺炎などの合併症に対する有効性について結論を導くには、十分なエビデンスが得られていない。しかし、多くの場合、エビデンスの質は中等度であった。小児麻疹の治療に対するビタミンAの有効性を評価するためには、より質の高いランダム化試験が必要である。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.11.23] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD001479.pub3】

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