依然としてクランベリーが尿路感染症に有用な治療かどうかのエビデンスが待たれる

クランベリーには膀胱壁に細菌が付着するのを防ぐ物質が含まれている。この作用が、膀胱や尿路の感染症(UTI)を減らすのに役立つ可能性がある。クランベリー(通常はクランベリージュース)は尿路感染症の治療に使用されており、特に高齢者などの高リスク集団で使用される。クランベリーには有害作用がほとんどない。本レビューでは、尿路感染症に対するクランベリージュースまたはその他のクランベリー製品の効果に関する研究からエビデンスを得られなかった。

著者の結論: 

徹底した検索を行った結果、尿路感染症の治療に対するクランベリージュースの有効性を評価したRCTはなかった。したがって、現時点では、尿路感染症の治療に対して有効であることを示す質の高いエビデンスは得られていない。尿路感染症に対するクランベリージュースの有効性を評価するため、クランベリージュースおよびその他のクランベリー製品とプラセボを比較した、適切にデザインされた並行群間二重盲検試験が必要である。アウトカムには、症状軽減、尿の無菌性、副作用および治療遵守を含めるべきである。用量(量および濃度)および治療期間の評価も実施すべきである。これらの研究から得られるエビデンスは、消費者や臨床医から喜ばれるものとなるだろう。

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背景: 

クランベリー(特にクランベリージュース)は、この数十年間、尿路感染症(UTI)の予防および治療に広く用いられている。本レビューの目的は、尿路感染症の治療に対するクランベリーの有効性を評価することである。

目的: 

尿路感染症の治療に対するクランベリーの有効性を評価すること。

検索方法: 

Cochrane Renal Groupが開発した検索法を使用した。また、クランベリー製品の販売促進に関わる企業に問合せを行った。英語および英語以外の言語を用いて電子データベースおよびインターネットを検索した。また、レビューおよび関連研究の参考文献も検索した。2010年7月

選択基準: 

尿路感染症に対しクランベリージュースまたはクランベリー製品を検討したすべてのランダム化比較試験(RCT)または準RCT。男性、女性および小児を対象とした研究を組み入れた。

データ収集と分析: 

本レビューと関連している可能性がある表題およびアブストラクトを1名のレビュー著者(RJ)がスクリーニングし、明らかに不適格な研究を除外した。しかし、関連研究を除外するリスクを避けるため、研究を多めに組み入れるよう努めた。レビュー著者RJとLMがそれぞれ研究が選択基準を満たすかどうかを評価した。選択基準に関する決定に必要な情報が、論文内に十分記載されていない場合は、試験著者に問い合わせて、詳細な情報を収集した。

主な結果: 

すべての選択基準を満たす研究はなかった。2件の試験は、関連性のあるアウトカムが含まれていなかったため、除外した。別の2件は現在、研究を実施中である。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2017.11.15]
《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
CD001322

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