分娩誘発に対する器械的方法

著者の結論: 

器械的方法を用いた分娩誘発により、帝王切開率はプロスタグランジン製剤と同程度となり、過剰刺激リスクは低下した。器械的方法により、24時間以内に出産しなかった女性の総数は増加しなかったが、PGE2腟剤に比べて、24時間以内に経腟分娩とならなかった経産婦の割合は高かった。オキシトシンに比べて、器械的方法により帝王切開リスクは低下した。

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背景: 

器械的方法は、子宮頸管熟化および分娩誘発のため、最初に開発された方法である。最近の数十年の間に、薬剤による方法が器械的方法に取って代わるようになった。薬剤による方法に比べた器械的方法による利点として、維持の簡単さ、低コスト、副作用の減少などを挙げることができる。

目的: 

妊娠後期の子宮頸管熟化または分娩誘発に対する器械的方法の効果を、プラセボ/無治療、プロスタグランジン薬[腟および子宮頸管内プロスタグランジンE2(PGE2)、ミソプロストール]およびオキシトシンと比較して検討すること。

検索方法: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2011年4月30日)および関連性のある論文の文献を検索した。2012年1月16日に本検索を更新し、本レビューの待機中の分類セクションに結果を追加した。

選択基準: 

妊娠後期の子宮頸管熟化または分娩誘発に使用する器械的方法を、分娩法として事前に規定した方法に対して、上記に挙げた方法と比較している臨床試験。破膜との比較が今後の試験で実施すべきであればこの比較を追加する予定である。 以下の様々な種類の介入が器械的方法として考慮されている:(1)子宮頸管へのラミナリア杆またはその合成同等物(Dilapan)の挿入、(2)牽引併用または無併用による、羊膜外腔への経頸管的カテーテル挿入、(3)羊膜外腔への液体注射のためのカテーテル使用 さらに他の比較も実施した:(1)プロスタグランジン製剤またはオキシトシンと特異的な器械的方法(バルーンカテーテルとラミナリア杆)との比較、(2)プロスタグランジン製剤単独と、器械的方法にプロスタグランジン製剤またはオキシトシンを追加した方法との比較

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に選択について試験を評価し、バイアスリスクを評価した。2名のレビューアが別々にデータを抽出した。

主な結果: 

この更新でさらに27件の研究を選択した。本レビューには、研究1件あたり39~588例の女性を対象とした71件のランダム化比較試験(RCT)(女性合計9,722例)を選択した。大半の研究は帝王切開について報告しており、他のすべてのアウトカムはごく少数の女性に基づくものであった。その後追加された4件の研究は進行中である。 器械的方法と無治療との比較:1件の研究(女性48例)は、24時間以内に経腟分娩とならなかった女性について報告していた[リスク比(RR) 0.90;95%信頼区間(CI) 0.64~1.26]。帝王切開のリスクは群間で同程度であった(6研究、女性416例、RR 1.00、95%CI 0.76~1.30)。重度の新生児/母体罹病症例はみられなかった。 器械的方法とPGE2腟剤との比較(17研究、女性1,894例):24時間以内に経腟分娩とならなかった女性の割合に有意はなかった(3研究、女性586例、RR 1.72、95%CI 0.90~3.27)。しかし、サブグループ解析による経産婦では、24時間以内に経腟分娩とならないリスクが高く(1研究、女性147例、RR 4.38、95%CI 1.74~10.98)、帝王切開の増加は伴わなかった(RR 1.19、95%CI 0.62~2.29)。子宮頸管内PGE2投与とミソプロストールと比較して(14研究、女性1,784例)、24時間以内に経腟分娩とならなかった女性の割合に有意はみられなかった。 器械的方法は、プロスタグランジン腟剤に比較して、胎児心拍数変動を伴う過剰刺激リスクを低下させた:PGE2腟剤(8研究、女性1,203例、RR 0.16、95%CI 0.06~0.39)、ミソプロストール(3%対9%)(9研究、女性1,615例、RR 0.37;95%CI 0.25~0.54)。器械的方法とプロスタグランジン製剤とで、帝王切開リスクは同程度であった。重篤な新生児罹病および母体罹病の報告はほとんどなく、群間にはなかった。 器械的方法は、オキシトシンによる誘発に比べて帝王切開率を低下させた(5研究、女性398例、RR 0.62、95%CI 0.42~0.90)。24時間以内の経腟分娩の可能性は報告がなかった。胎児心拍数変動を伴う過剰刺激は1件の研究で報告された(参加者200例)が、はなかった。重度の母体罹病および新生児罹病の報告はなかった。

訳注: 

監  訳: 江藤 宏美,2012.7.24

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

ご注意 : この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、Minds事務局までご連絡ください。Mindsでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。

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