重度精神疾患を持つ人々に対する支援付き住居

重度精神疾患を持つ人々には、治療の成功率を高め、繰り返す再入院を減らすために、支援付き住居という枠組みで支援が提供されることがある。これらの取り組みの多くは、有効性についての正式な報告に基づいておらず、開発・設備投資・継続的なケアの提供という点で費用もかかる。このレビューでは、地域に住む重度精神疾患を持つ人々に対する支援付き住居を、アウトリーチ支援または標準的ケアと比較しようとした。しかしランダム化試験を行った研究は特定されなかった。地方自治体や慈善団体から資金提供を受けた多くの支援付き住居が存在しており、それらが有益な可能性もあるが、一方で専門家への依存度を高め、コミュニティからの排除を助長する可能性もある。利益がリスクを上回るか否かについては、現時点では非正式な報告しかなく、意見が分かれ、議論の余地がある問題である。ランダム化試験を適切に実施し、早急にこの方法の効果を評価する必要がある。

訳注: 

《実施組織》 五十嵐百花 翻訳,  佐藤さやか 監訳 [2020.6.15] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部(以下、NCNP精研地域部;cochranereview.ncnpcmhl@gmail.com)までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。NCNP精研地域部では最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD000453.pub2》

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