過多月経に対するホルモン配合避妊薬

レビューの論点

コクランの婦人科学・生殖グループが、過多月経に対するホルモン配合避妊薬(訳注:本邦で経口避妊薬(OC)、エストロゲン・プロゲスチン配合薬(EP)、ピルと呼ばれる薬剤)の効果を、無治療またはプラセボ(偽の治療)または他の内科的治療と比較してレビューした。

背景

過多月経は貧血(赤血球が少なすぎる状態)やQOL(生活の質)・ウェルビーイングの障害の原因となりうる。このため閉経前の女性は、月経の治療のためにかかりつけ医や婦人科専門医を受診することがある。ホルモン併用経口避妊薬(OC)は子宮内膜(子宮の内側を覆う、月経の際に出血する部分)を薄くして月経をコントロールできる。他の避妊法(腟リングや皮膚パッチ(訳注・いずれも本邦未承認))もまた同様の機序で経血を減少させる。

研究の特性

ホルモン配合避妊法(ほとんどがピル)と無治療またはプラセボまたは他の内科的治療を比較した、805例からなる8試験を同定した。これらの研究は出血、患者満足度、生活の質、有害事象、ヘモグロビン濃度(赤血球に含まれる、体に酸素を運搬する蛋白質)を評価していた。本エビデンスは2018年9月現在のものである。

主な結果

エストラジオール吉草酸塩とジエノゲストを含むOCがプラセボと比較して過多月経を減少させ生活の質とヘモグロビン濃度を改善させること、しかし軽度の副作用を生じることが2試験で示された。NSAIDsやプロゲストーゲンのような他の治療法と避妊薬を比較した場合のエビデンスは不十分であった。子宮内黄体ホルモン放出システム(LNG-IUS)はOCよりも過多月経の減少において優れていることが2試験で示された。ホルモン使用腟リングとOCとに異なる効果があるというエビデンスは2試験において認められなかった。ホルモン併用パッチ(経皮パッチ)の効果を評価した研究は見つけられなかった。

エビデンスの質

経口避妊薬とプラセボを比較したエビデンスの質は中等度であったが、他の方法と比較したエビデンスの質は低から非常に低であった。経血を減少させる点においてLNG-IUSはOCよりも有効であったが、他の治療との比較についてはエビデンスが不十分であった。ホルモン併用避妊法は過多月経を減少させるが、他の方法と比べて絶対的に確実であるとは言えない(LNG-IUSはより効果が高いように見える)。

訳注: 

《実施組織》内藤未帆、増澤祐子 翻訳 [2019.4.12]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクラン日本支部までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review、Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD000154》

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