持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の治療に使用される薬剤の利点とリスクは何か?

要点

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)に対する薬物療法について評価を行った研究は確認されなかった。

この病気に対してどのような治療が有効か、また、治療が有害事象を引き起こすかどうかを明らかにするためには、さらなる研究が必要である。

PPPDとは何か?

PPPDとは、持続性知覚性姿勢誘発めまいの略称である。PPPDは、めまいやふらつきの症状を伴い、立ち上がる時や動き回る時、あるいは視覚刺激(複雑な模様や動きのある映像など)が多い場合に悪化する。

PPPDはどのように治療されるのか?

PPPDの症状を改善するために、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」や「セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)」として知られる薬剤が投与される場合がある。その他の治療法、例えば、前庭リハビリテーションとして知られる理学療法の一種や、対話療法なども用いられる。

何を知りたかったのか?

以下の項目について明らかにすることを試みた:

- 薬物療法(SSRIおよびSNRI)がPPPDの症状の改善に有用であるというエビデンスがあるかどうか。

- これらの治療が何らかの有害作用をもたらす可能性があるかどうか。

何を行ったのか?

SSRIおよびSNRIについて、治療を行わなかった場合、またはプラセボ(偽の薬剤)を使用した場合と比較した研究について検索を行った。

何を見つけたのか?

PPPDに対するこれらの薬剤の効果を評価した研究は見つからなかった。したがって、SSRIおよびSNRIがPPPDの治療に有効かどうか、あるいは有害作用を及ぼす可能性があるかどうかは不明であった。

エビデンスの限界は何か?

これらの薬剤がPPPDの治療に有効かどうかを明らかにするためには、さらなる研究が必要である。

本エビデンスはいつのものか?

2022年11月時点におけるエビデンスである。

訳注: 

《実施組織》小泉悠、小林絵里子 翻訳[2023.08.31]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD015188.pub2》

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