神経難病で長期肺感染症の小児への抗菌薬投与

「神経障害」とは、主に神経学的問題(脳性麻痺など)、神経筋の問題(筋ジストロフィーなど)、発達の問題(発達障害、ダウン症など)に起因する一群の状態を指す。これらの疾患を持つ小児や若年者は、移動、摂食、咳などの同様の問題を持つことがある。胸部や呼吸の問題(肺の感染症を含む)は、神経障害のある小児や若年者がよく経験し、病院での治療が必要となる原因となっていることが多い。

胸の分泌物を完全に取り除くことができない人や、頻繁に感染症を起こす人の場合、肺感染症は完全に取り除くことができず、「慢性感染症」となってしまうことがある。このような立場の小児や若年者にとって、どのような治療が最適なのかは不明である。

慢性肺感染症の小児と若年者を対象に、肺感染症の抗菌薬治療について検討したすべての臨床試験を系統的にレビューすることを目指した。2022年2月までに発表された合計1,968件の研究を、さまざまなオンラインデータベースから検討したが、本レビューに含めるべき関連性のあるものはなかった。2件の研究は進行中であったため、今回のバージョンに含めることができなかった。

この重要な問いに答える臨床試験が見つからなかったのは残念である。このような立場の小児や若年者が最善の治療を受けられるよう、今後の課題としていく。

訳注: 

《実施組織》 阪野正大、小林絵里子 翻訳[2023.04.07]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013813.pub2》

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