早産児あるいは低出生体重児に対する早期完全経腸栄養

レビューの疑問:早産児あるいは低出生体重児(早く産まれたり、小さく産まれた乳児)は、点滴(静脈から血液中にゆっくりと注入するもの)で水分や栄養を与えながら徐々にミルクを導入していく場合と比較して、生後間もない頃からすべての栄養をミルクとして与えた方が成長が早く、問題が少ないか?

背景:「早期完全経腸栄養」とは、早産児や低出生体重児に、生後間もない頃からすべての栄養をミルクとして与え、点滴で補液や栄養を与えないことを意味します。この方法が安全で有益かどうかを評価することは、超早産児または超低出生体重児(32週以前に生まれた乳児、または出生時の体重が1500g未満の乳児)への栄養摂取に特に関連している。

研究の特徴:我々は2010年代にインドの新生児ケアユニットで実施されたすべての6件の試験を分析対象とした。ほとんどの試験は小規模であったが(合計526人の乳児が参加)、試験の質はおおむね良好であった。参加者は出生体重1000g~1500gの早産児であった。

検索は2020年7月時点のものである。

主な結果:出生時からすべての栄養をミルクで与えられた乳児が、出生後1~2週間の間に徐々にミルクを与えられた乳児に比べて体重が増え、成長が早いかどうかを示すデータは不十分であった。これらの試験では、生後早期からすべての栄養をミルクで与えたことが、その後の乳児の発育や成長に与えた影響に関する情報は報告されていなかった。分析対象となった試験においては、栄養摂取や腸の問題への影響を含め、生後早期からすべての栄養をミルクで与えることに関する他の潜在的な有益性や有害性を示すエビデンスはなかった。

結論:早産児や低出生体重児に早期からすべての栄養をミルクで与えることが有益かどうかを判断するのに十分なエビデンスはなかった。この不確実性を解消するためには、新たな試験が必要である。

エビデンスの質:我々は、このエビデンスの質は低いまたは、非常に低いと評価した。その理由は対象となった試験が小規模で、方法論的な弱点もあり、それぞれの知見が互いに矛盾していたためである。このことは、今後の研究が効果の推定や知見に対する信頼性に重要な影響を与える可能性が高いことを意味している。

訳注: 

《実施組織》大須田祐亮(北海道医療大学)、堀本佳誉(千葉県立保健医療大学) 翻訳[2021.1.8]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013542》

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