早産児の経静脈栄養のための脂肪乳剤に関するシステマティックレビュー

レビュービの論点: 肝疾患や外科的疾患の有無にかかわらず、どの脂肪乳剤(LE)が早産児に最も良い結果をもたらすか?

背景:経静脈(血管)からの栄養を必要とする早産児には、従来、純粋な大豆油をベースとした脂肪乳剤が投与されてきた。しかし、大豆油ベースの脂肪乳剤に含まれる高い多価不飽和脂肪酸(PUFA)含有量と植物ステロールは有害であり、非経口栄養関連肝疾患(PNALD)の原因となる可能性がある。魚油を含む代替脂質源からの新しい脂肪乳剤(LE)は、PUFA含有量を減らし、脂質源に特有の利点をもたらすことで、早産児の臨床転帰を改善する可能性がある。

研究の特性:医学文献を検索し、29件の研究(早産児2037人を含む)を確認した。本エビデンスは2018年6月18日時点のものである。

主な結果 : 肝疾患や外科的疾患のない早産児の集団において、成長、肝疾患、死亡、網膜症(眼疾患)、感染症、慢性肺疾患のいずれにおいても、特定のLEが他のLEよりも優れていた。

魚油ベースのLEがすでに肝疾患を持つ乳児の肝疾患関連のアウトカムを改善する可能性を示唆する非常に質の低い限定的なエビデンスがあったが、このエビデンスは2つの小規模な研究の限られた数の乳児による結果に基づいており、そのうちの1つは早期に終了しているため、確実な結論は導き出せないとしている。

結論:このレビューによれば、早産児の静脈栄養において特定のLEが他より優れているということはない。すでに肝臓疾患や外科的疾患のある乳幼児の肝臓疾患関連の転帰を改善するための魚油-LEの有益性については、現在、十分なデザインの研究による証拠がない。早産児の肝疾患の転帰に対する魚油-LEの役割や、早産児にとって理想的なLEの組成を確立するためには、さらなる研究が必要である。

訳注: 

《実施組織》小林絵里子、冨成麻帆 翻訳[2021.07.07]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013163.pub2》

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