嚢胞性線維症における鼻、副鼻腔の慢性炎症への医療介入

レビューの論点

嚢胞性線維症の人における慢性副鼻腔炎への医療介入の効果は何か?

背景

慢性副鼻腔炎とは、鼻腔と目や鼻の周りの含気腔の長期にわたる感染と炎症である。嚢胞性線維症は、体内の分泌物が粘調になり、そのため分泌物が停滞し詰まりやすくなる遺伝子疾患である。これが鼻の中やその周囲で起こると、慢性副鼻腔炎を引き起こす。嚢胞性線維症の人の治療が改善し、長生きできるようになり、慢性副鼻腔炎を発症する確率が高くなった。抗菌薬やステロイド、粘液を薄める薬剤(例えばドルナーゼアルファ)または、細胞膜チャネル機能を改善させる薬剤(CFTRモジュレーター)を早期かつ効果的に使用することで、生活の質 (QOL)を向上させ、下気道疾患の発症を防ぐことができる。現在、嚢胞性線維症の人における慢性副鼻腔炎の試験に基づいた最善の治療法のガイドラインは存在しない。

検索日

本エビデンスは、2021年09月09日現在のものである。

研究の特性

調査の中で選択基準に合った試験は見つからなかった。今回のレビューでは、12試験を除外、1試験を進行中とした。

主な結果

慢性副鼻腔炎は嚢胞性線維症の人によく見られるが、その管理について十分なエビデンスは得られていない。このレビューでは、嚢胞性線維症の人の慢性鼻副鼻腔炎の管理、下気道疾患の予防、また生活の質 (QOL)の向上のために、どのような治療法が最善であるのかを決定するためのよくデザインされた試験の必要性を強調している。

訳注: 

《実施組織》 在田理香 翻訳、山本依志子 監訳[2023.3.19]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD012979.pub3》

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