原発性月経困難症(生理痛)に対するニフェジピンの効果

レビューの論点

原発性月経困難症(生理痛、月経痛としても知られる)に伴う痛みの緩和にニフェジピンは有効か?

背景

原発性月経困難症は、月経(生理)に伴う痛みであり、子宮の痙攣が原因である。生殖可能な年齢にある女性によくみられる症状で、日常の活動に大きな影響を与える可能性がある。ニフェジピンは、早産の妊婦の子宮の収縮を減らすのに効果的な薬である。このレビューでは、ニフェジピンが月経時の子宮の収縮の緩和にも効果的かどうかということを取り上げている。

研究の特徴

3つのランダム比較試験(参加者が治療を受けるか、比較対象になるか、同等の確率で選ばれる研究)を特定した。原発性月経困難症に対するニフェジピンとプラセボ(偽薬)の使用を比較した。合計で106人の女性が試験に参加したが、解析に利用できた情報は、合計66人の女性が参加した2つの試験からのもののみであった。これらの試験のうちの1つでは、ランダム化がグループ間で非常に偏っており、19人の女性がニフェジピンを投与されたのに対し、わずか5人がプラセボを投与されていた。文献の検索は、2019年1月31日に行われ、2020年6月5日と2021年11月25日に繰り返し行われた。1つの試験は別の著者と検討して特定された。

主要な結果

原発性月経困難症に伴う痛みの緩和に対するニフェジピンの有効性は、総じて確定していない。ニフェジピンは、全体的な痛みの緩和、および「良好な」または「優れた」部分的な痛みの緩和を得るために有効かもしれない。しかしながら、この分析は非常に少ない数の参加者に基づいているため、ここから結論を導き出すには注意が必要である。この疑問に関するある研究では、ニフェジピンを投与された女性は、プラセボを投与された女性に比べ、将来の月経周期において薬の服用を続けることを希望する傾向があった(ニフェジピンを投与された12/19人の女性に対し、プラセボを投与された女性は0/5人)。ある研究では、普段酷い月経痛をかかえ、ニフェジピンを服用した参加者が、プラセボを服用した参加者に比べて、日常生活を送る上での能力を大きく改善させた。副作用が評価された両試験では、ニフェジピンを服用した女性と、プラセボを服用した女性の両方において、月経に関連したマイナスの身体的影響は同等に高い発生率であった。

エビデンスの質

エビデンスの質は全体的に非常に低度と評価した。概して研究方法の報告が不十分であり、1つの試験では、分析可能な方法で結果が報告されていなかった。解析結果は、合計66人の女性を対象とした2つの試験のみから得られたもので、そのうちの1つはランダム化が不均衡であった。

訳注: 

《実施組織》 熊田晴香 翻訳、山本依志子 監訳[2022.02.05]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD012912.pub2》

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