冠動脈疾患に対する運動を基本とする心臓リハビリテーション

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著者の結論: 

運動を基本とする心臓リハビリテーションは、(中期から長期の研究において)総死亡率および心血管系死亡率の低下に有効であり、(短期の研究において)入院の減少に有効であったが、総MIおよび血行再建術(CABGまたはPTCA)の減少には有効ではなかった。最近の試験を選択したにもかかわらず、本レビューで検証された対象集団の大部分は、男性、中年、および低リスクの症例であった。したがって、通常の臨床診療をよりよく示すCHD患者群を対象とした、適切なデザインの十分な報告のあるRCTがなお必要である。これらの試験は、妥当性のある健康関連生活の質のアウトカム指標を選択し、入院などの臨床的イベントを明示して報告し、費用および費用対効果を評価すべきである。

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背景: 

世界的に冠動脈疾患(CHD)の負荷は患者および医療機関の両者で大きな懸念の一つとなっている。運動を基本とする心臓リハビリテーションは、心疾患患者の健康を回復することを目的としている。

目的: 

CHD患者において、運動を基本とする心臓リハビリテーション(運動訓練単独、もしくは心理社会的介入または教育的介入の併用)が死亡率、罹病率および健康関連生活の質に及ぼす有効性を検討すること。

検索戦略: 

CENTRAL、HTA、DARE (コクラン・ライブラリ、Issue 4, 2009年)、MEDLINE(1950年~2009年12月)、EMBASE(1980年~2009年12月)、CINAHL(1982年~2009年12月)、Science Citation Index Expanded(1900年~2009年12月)を検索してランダム化比較試験(RCT)を同定した。

選択基準: 

心筋梗塞(MI)、冠動脈バイパス術(CABG)、または経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)の既往がある、もしくは狭心症または血管造影法による冠動脈疾患を有する、全年齢の男女。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に研究を選択しデータを抽出した。欠失している情報を得るため可能である場合は著者に連絡を取った。

主な結果: 

本システマティック・レビューでは、10,794例の患者を運動を基本とする心臓リハビリテーションまたは通常ケアにランダムに割り付けた47件の研究の解析が可能であった。中期~長期(12カ月以上のフォローアップ)において、運動を基本とする心臓リハビリテーションにより、総死亡率[RR 0.87(95% CI 0.75、0.99)]および心血管系死亡率[RR 0.74(95% CI 0.63、0.87)]が低下し、短期(12カ月未満のフォローアップ)において入院が減少し[RR 0.69(95% CI 0.51、0.93)]、試験間の効果についての異質性のエビデンスはなかった。心臓リハビリテーションによる総MI、CABG、PTCAリスクの低下はなかった。アウトカム指標および結果報告手法の両方の異質性を考慮し、健康に関連した生活の質に対するメタアナリシスは行わなかった。妥当性のある指標を用いた健康に関連した生活の質を報告している10件の試験中7件において、通常ケアに比べて運動を基本とする心臓リハビリテーションに、より有意に高いレベルの生活の質のエビデンスがみられた。

訳注: 

監  訳: 澤村 匡史,2011.11.1

実施組織: 厚生労働省委託事業によりMindsが実施した。

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