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潰瘍性大腸炎における疾患活動性評価のための内視鏡的スコアリング指標の検討

潰瘍性大腸炎とは?

潰瘍性大腸炎は、大腸や直腸の最も内側の粘膜に長期(慢性)の炎症と潰瘍(ただれ)ができることを特徴とする炎症性腸疾患である。一般的な症状としては、下痢、腹痛やけいれん、体重減少、疲れやすさなどがある。

内視鏡検査のスコアリング指標とは?

内視鏡のスコアリング指標は、内視鏡検査中に医師が見ることができる内容をもとに、疾患活動性を測定するものである。内視鏡検査は、消化管を見るために小型カメラを使用する非外科的な処置である。内視鏡検査を行う医師自身が、指標を用いて疾患活動性を評価してもよいし、検査がビデオ録画されていたり、写真が撮影されていたりする場合には、他の医師が疾患活動性を評価してもよい。

一般的に使用されている内視鏡指標には、Baron Score、Rachmilewitz Index、潰瘍性大腸炎内視鏡重症度指数(UCEIS)、メイヨークリニック内視鏡サブスコア、潰瘍性大腸炎大腸内視鏡重症度指数(UCCIS)などがある。

研究者が調べたこと

内視鏡の指標は妥当であること、つまり、測定しようとしているものを正確に評価していることが重要である。研究者らは、潰瘍性大腸炎の疾患活動性を評価するための様々な内視鏡的指標の妥当性を検討した。潰瘍性大腸炎内視鏡重症度指数(UCEIS)、メイヨークリニック内視鏡サブスコア、および潰瘍性大腸炎大腸内視鏡重症度指数(UCCIS)は、他の指標と比較して広く妥当性の検証が行われていたが、これらの指標はいずれも十分な検証はされていなかった。

レビューの結果

研究者らは、現在使用されている内視鏡の指標はいずれも十分な妥当性の検証がされていないことを発見した。潰瘍性大腸炎の疾患活動性を評価するための十分に検証された内視鏡的スコアリング指標がないことを考えると、これらの指標の操作特性に関するさらなる研究が必要である。

訳注

《実施組織》 阪野正大、瀬戸屋希 翻訳[2020.07.19] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。  《CD011450.pub2》

Citation
Mohammed Vashist N, Samaan M, Mosli MH, Parker CE, MacDonald JK, Nelson SA, Zou G, Feagan BG, Khanna R, Jairath V. Endoscopic scoring indices for evaluation of disease activity in ulcerative colitis. Cochrane Database of Systematic Reviews 2018, Issue 1. Art. No.: CD011450. DOI: 10.1002/14651858.CD011450.pub2.