結核症状にかかわらず、成人の活動性肺結核とリファンピシン耐性をスクリーニングするための喀痰Xpert検査の精度は?

肺結核のスクリーニングにXpert検査を使用することがなぜ重要なのか?

結核は感染症関連死亡の主要な原因であり、世界の死亡原因トップ10に入っている。世界保健機関(WHO)は、結核の兆候や症状がある人の結核とリファンピシン耐性を診断するための初期検査として、正確な迅速検査を使用することを推奨している。しかし、WHOの推計によると、活動性結核患者の約3分の1は診断されず、報告されていない。結核に気づかない(検査結果が偽陰性)と、病気や死亡の原因となり、他の人に感染するリスクが高まる。結核の診断が間違っていると(偽陽性)、益がないのに抗生物質が投与されてしまう。

このレビューの目的は何か?

結核症状(咳、発熱、体重減少、寝汗など)にかかわらず、成人の肺結核およびリファンピシン耐性のスクリーニング検査としてのXpert MTB/RIF検査およびXpert Ultra検査の精度を評価するため、私たちは、HIV感染者(PLHIV)、結核患者との家庭内接触者、鉱山労働者、服役者、糖尿病患者、一般市民など、結核のリスクが高いグループで検査がどのように機能するかに関心があった。

このレビューで検討されたこと

Xpert MTB/RIF検査およびXpert Ultra検査は、結核とリファンピシン耐性を同時に診断するための迅速検査である。研究結果を組み合わせて判断した。

- 感度:結核(リファンピシン耐性)患者が正しく診断された確率。

- 特異度:結核(リファンピシン耐性)患者でないことが正しく診断された確率。

感度と特異度が100%に近いほどより良い検査である。

このレビューの主な結果

21の研究:肺結核のスクリーニング検査としてXpert MTB/RIF検査を評価した研究が18件(参加者13,114名)、Xpert MTB/RIF検査とXpert Ultra検査の両方を評価した研究が1件(参加者571名)あった。Xpert MTB/RIF検査のリファンピシン耐性を評価した研究は3件(参加者159名)あった。

1000人の対象者のうち、基準となる標準検査で50人が結核に罹患していたとした場合:

PLHIV(HIV感染者)

- Xpert MTB/RIF検査(12の研究)では:

- 40人が陽性となり、そのうち9人は結核ではない(感度62%)

- 960人が陰性となり、そのうち19人が結核だった(特異度99%)

- Xpert Ultra検査(1つの研究)では:

- 53人が陽性となり、そのうち19人は結核ではない(感度69%)(訳注:計算上は68%)

- 947人が陰性となり、そのうち16人が結核だった(特異度98%)

1000人の検査対象者に対して、基準となる標準検査で10人が結核に罹患していたとした場合:

他の統合したハイリスクグループ

- Xpert MTB/RIF検査(5つの研究)では:

- 19人が陽性となり、そのうち12人は結核ではない(感度69%)(訳注:計算上は70%)

- 981人が陰性となり、そのうち3人が結核だった(特異度99%)

リファンピシン耐性の検出において、Xpert MTB/RIF検査の感度は81%と100%(2つの研究)、特異度は94%から100%(3つの研究)であった。

このレビューにおける研究結果の信頼性

対象となった研究では、肺結核診断(培養検査)とリファンピシン耐性診断(薬剤感受性試験)の基準となる標準検査は、患者が本当にこれらの疾患を患っているかどうかを判断するのに信頼できる方法であったと考えられる。PLHIV(HIV患者)におけるXpert MTB/RIF検査の結果にはかなり信頼性があったが、他のハイリスクグループではあまり信頼性がなかった。Xpert Ultra検査やリファンピシン耐性検出の結果を信頼するには、十分な人数が調査されていない。

このレビューの結果は誰に適用できるか?

研究は主に結核やHIVの感染率が高い環境で行われた。糖尿病患者や一般人を対象にした研究はなかった。

このレビューの結果

PLHIV(HIV感染者)においては、結核まん延地域におけるスクリーニング検査としてXpert MTB/RIF検査による結核診断は正確であった。ハイリスクグループでは、Xpert MTB/RIF検査が結核の発見に役立つ可能性はあるが、エビデンスの確実性は低い。PLHIV(HIV患者)では、Xpert Ultra検査の感度はXpert MTB/RIF検査よりも若干高く、特異度は同程度であった(1つの研究)。リファンピシン耐性の検査を行った研究や参加人数は少なく、また、糖尿病患者や一般人を対象にした検査を評価した研究もなかった。

このレビューの更新状況

2020年3月19日現在のものである。

訳注: 

《実施組織》 星 進悦、阪野正大 翻訳 [2021.04.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。 なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review、Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013694.pub2》

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