成人および小児の尿路感染症の予防・治療のためのD-マンノース(糖衣錠)

論点は何か

尿路感染症(Urinary tract infection:UTI)は世界中で非常によくみられる。女性の少なくとも50%は、一生に一度は尿路感染症にかかると言われている。成人および小児の約15%から25%が、尿路感染症を繰り返し、長期間患う。多くの場合、標準的な抗菌薬は効かない。

D-マンノースは通常の食事に含まれる糖の一種で、膀胱壁や細菌の周囲に非粘着性の膜を作ると考えられている。その結果、排尿時に細菌が排出されるため、膀胱や尿路内の感染につながる細菌の増殖を防ぐことができると考えられている。

実施したこと

D-マンノース(錠剤または粉末)について、成人および小児の尿路感染症を予防または治療できるかどうか、すべての科学的根拠(エビデンス)をレビューした。本エビデンスは2022年2月22日現在のものである。

わかったこと

その結果、719例が登録された7件の研究を同定し、そのほとんどが女性で、長期的に尿路感染症の再発(6カ月間に2回以上、または12カ月間に3回以上)を経験していた。各研究が異なるD-マンノース製剤、異なる集団、異なる対照群を調査していたため、データを統合することはできなかった。D-マンノースを摂取することで、無治療、他のサプリメント、抗菌薬と比較して、尿路感染症に繰り返し罹る回数が減少するかどうかを判断することはできなかった。ごく少数の参加者が副作用として下痢や膣のほてりを経験した。

エビデンスの質は低かった。研究は質の低い方法で実施され、登録患者数は十分ではなかった。7件の研究のうち、参加者が受ける治療について盲検化されていたのは2件のみであった。

要約

D-マンノースが急性尿路感染症や再発性尿路感染症を予防または治療するかどうかについては、十分なエビデンスがない。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2023. 10.31] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD013608.pub2】

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