禁煙コンテストは中・長期的に禁煙に対して効果があるか?

背景

禁煙を支援するためのコンテストにおいては、参加者は禁煙するように促され、もし禁煙に成功したら報酬をもらえるチャンスが得られる。喫煙者がお互いに直接競い合い、グループ内のほとんどの喫煙者は賞の獲得を断念する研究もある。あるいは、禁煙した人が現金、商品券、ボーナス、プロモーション商品(Tシャツ、ペンやバッグ)、休暇、あるいは高級品(クルマやボート)などの賞を獲得できる抽選をうけるというものもある。禁煙コンテストの特殊なタイプとしては、「クイット・アンド・ウィン(禁煙&勝利)コンテスト」と呼ばれるものがあり、これは2006年まで国際的に行われていた。

研究の特性

本レビューでは、先行する2件のレビューで採用された研究を統合した。これらのレビューのうち1件は、コンテストとインセンティブに関するものであった。インセンティブの効果については、別途レビュー中である。ここでは、「クイット・アンド・ウィン・コンテスト」のレビューに当初より含まれていた研究に加えて、コンテストについて調査したものを対象研究として含めた。2018年6月までに公開された直近の関連文献についても検索した。禁煙を支援するコンテストの参加者11,000人以上を含む20件の研究論文を分析対象とした。その中の5件の研究では、職場で募集した喫煙者のグループが互いに直接、競い合うものであった。残りの15件の研究は、禁煙成功者には賞品の抽選権が与えられるというものであった。

主な結果およびエビデンスの質

互いに直接競い合うコンテストに参加した喫煙者が参加しなかった喫煙者よりも禁煙に成功した者が多いという結果が得られた研究は無かった。最良のエビデンスである賞品の抽選権が得られるコンテストに関するランダム化比較試験においても、コンテストが禁煙の成功率を上げるという結果は得られなかった。3件の「クイット・アンド・ウィン・コンテスト」の研究においては、コンテストに参加した集団は参加しなかった対照集団に比べて禁煙率が高いという結果は得られなかった。しかしながら、これらの研究の質は低く、「クイット・アンド・ウィン・コンテスト」によって禁煙したと思われる人は喫煙者500人中1名よりも少ないという結果であり、集団内の全体的な喫煙率に対する影響はごくわずかであることを示していた。

20件の研究のうち14件がランダム化比較試験であったが、ほとんどの研究において研究方法に関する記述が充分ではなく、質が高いと判断出来なかった。全体的として、このレビューに採用した研究の質は非常に低く、強い結論を導くことが出来なかった。本研究結果により高い確信が得られるためには、今後このテーマについて質が高く詳細なものが実施される必要がある。

訳注: 

《実施組織》星佳芳 翻訳、清原康介 監訳 [2019.04.01] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどにお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review、Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013272》

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