早産児における症候性動脈管閉鎖不全症(PDA)に対する治療薬としてのインドメタシン

論点

早産児の症候性動脈管閉鎖不全症(PDA)の治療において、インドメタシンが無治療またはプラセボ(治療効果のない物質)と比較して、どの程度安全で効果があるかを確認したいと考えた。

背景

PDAは早産児や低出生体重児によく見られる合併症である。PDAでは、肺と心臓の間の動脈路(動脈管)が開存している。早産児では、PDAは開いたままであり、生命を脅かす合併症の一因となる可能性がある。PDAの閉鎖に一般的に使用される薬であるインドメタシンが、PDAの症状が出ている早産児に対して、無治療やプラセボと比べて良いのか悪いのかを見たかった。

研究の特性

PDAを有する早産児(妊娠37週未満で出生した児)、低出生体重児(体重2500g未満の児)、または早産児・低出生体重児を対象としたランダム化比較試験(参加者が2つ以上の治療群のいずれかへ無作為に割り付けられた臨床試験)について、科学データベースを検索した。含まれた研究では、インドメタシンと無治療またはプラセボが比較された。2020年7月31日までに発表された研究を検索した。

主な結果

14の臨床試験(880人の乳児)をレビューした結果、インドメタシンはPDAの閉鎖に非常に有効であり、無治療やプラセボと比較して、1週間後にPDAが再開通するリスクを70%減少させることがわかった。全14件の研究のうち、8件が死亡について報告しており、群間で差はなかった。生後28日目に酸素投与を必要とする乳児の数を報告した研究は1件のみで、月経後36週目(妊娠週数+乳児の出生後期間)に酸素を使用した乳児の数を報告した研究は1件のみだった。データは、これらの結果についての結論を出すのに十分ではない。両研究とも、インドメタシンを投与された群と無治療の群、プラセボを投与された群との間に差は認められなかった。薬の副作用やその他の副作用(腸管出血、腎障害、腸管感染症/壊死性腸炎と呼ばれる血流不足など)は、群間で差がなかった。

エビデンスの確実性

GRADE(各アウトカムを支持する試験の確実性をスコア化する方法)によると、インドメタシンは症状のある早産児のPDA閉鎖に有効であることが確実性の高いエビデンスとして示されている。しかし、インドメタシンが死亡や肺障害の軽減に役立つかどうかは、十分なエビデンスがない。また、インドメタシンが無治療やプラセボに比べて有害性が増大するかどうかは、十分なエビデンスがない。インドメタシンが症候性PDAの乳児の死亡または肺損傷を減少させるかどうかについては、さらなる研究が必要である。

訳注: 

《実施組織》小林絵里子、阪野正大 翻訳[2021.02.08]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013133.pub2》

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