脳卒中患者の日常生活動作に対する反復末梢磁気刺激(repetitive peripheral magnetic stimulation:rPMS)

レビューの論点
反復末梢磁気刺激(repetitive peripheral magnetic stimulation:rPMS)は脳卒中後の人々の日常活動を向上させるのに有効であるか?

背景
脳卒中は、身体的障害の最も一般的な原因であり、脳の一部への血液供給が遮断されたり、減少したりすることで起こる。脳卒中には2つのタイプ、血流低下による虚血性のものと出血に伴う出血性のものがある。脳卒中後の上下肢麻痺は入浴、更衣、歩行などの日常生活動作に問題を生じさせる。不全片麻痺の脳卒中後の患者は、上下肢のトレーニング、日常生活の動作を中心にした運動、そして適切な歩行補助用具(杖など)といった身体のリハビリテーションが必要である。しかし、有用な治療法は現在限られている。rPMSは無痛の刺激方法で、脳または神経障害患者の動作を改善するため使用されている。

検索期間
本検索結果は2019年1月7日時点のものである。

研究の特性
本レビューは2017年発表のレビューのアップデート版である。参加者139例を対象とした4件のrPMSの試験(3件の個別のランダム化比較試験および1件のクロスオーバー試験)の科学的根拠(エビデンス)を検討した。2件の研究は、rPMSと疑似刺激(微弱の刺激または音のみ)とを比較した。2件の研究は、rPMS+リハビリテーションと疑似刺激+リハビリテーションとを比較した。

要点
脳卒中後の日常生活動作、筋力、上肢機能、痙縮(筋肉の異常な緊張)に対する反復末梢磁気刺激の効果に関しては、ほとんどエビデンスがないことが明らかとなった。1件の試験は、rPMSが上肢の痙縮を低減したと報告したが、効果は小さく、依然として不明である。

エビデンスの質
サンプルサイズ不足を主な理由としてエビデンスの質は低いと分類された。

著者の結論
rPMSの使用が、脳卒中後の日常生活動作や機能的能力を向上させるのに有用かどうかは依然として不明である。rPMSの効果を評価するには、多くの参加者を対象としたより多くの試験が必要である。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2020.12.28] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。《CD011968.pub3》

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