心的外傷後ストレス障害(PTSD)のためのカップル療法と家族療法

なぜこのレビューが重要なのか?

PTSDは個人と人間関係の両方の問題に関わる重大な疾患である。カップルや家族を対象とした治療はPTSDの治療法として推奨されてきた。しかしながらこれらの治療法がトラウマ症状や、その他の精神衛生と人間関係の問題を軽減するのに効果的か否かは明らかになっていない。今回のレビューは、PTSDをもつ成人に対するカップル療法と家族療法に関する研究の知見を要約する初の試みである。

このレビューに関心を持つ人は誰か?

トラウマに苦しむ人々、及びその家族、研究者、精神衛生の専門家

このレビューでわかることは何か?

カップル療法や家族療法は、PTSDの症状やその他の精神衛生や人間関係の問題に対する治療において、”無治療”や他のタイプの治療と比較して有効なのだろうか?

他の治療法よりも効果的なタイプのカップル療法や家族療法は存在するのだろうか?

このレビューで対象となる研究は?

我々はPTSDのためのカップル療法、そして家族療法に関する公表されている全ての研究を選択した。我々は成人のための関連した療法について、4件の研究を見つけた。これらの研究では、カップル/家族のうちの1人の成人がPTSDと診断されていた。

このレビューのエビデンスからわかることは何か?

関連した研究はほとんどなく、PTSDに対するカップル療法や家族療法の利点を確認するためにはさらなる研究が必要である。このレビューで選択された4件の研究により、カップル療法がPTSDの患者のトラウマの症状を緩和するのに効果的かもしれないということが早期段階ではあるが示唆された。しかしながら、人間関係の質や家族のメンタルヘルスの状態を改善するのに効果的か否かは明らかではない。

次に何をするべきか?

異なるタイプのトラウマや、PTSDのための異なるタイプのカップル療法と家族療法を含むさらなる研究が必要である。

訳注: 

《実施組織》 岩見謙太朗 翻訳、瀬戸屋希  監訳[2020.02.12]
《注意》 この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。
《CD011257》

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