新生児における敗血症および壊死性腸炎の治療のための経腸ラクトフェリン

レビューの論点

ラクトフェリン補充は抗生物質と併用した場合、敗血症および壊死性腸炎の新生児において有効かつ安全か。

背景

新生児、特に早産児は、血液の感染症(敗血症)、胃腸炎および損傷(壊死性腸炎)、その両方の疾患のリスクがある。敗血症または壊死性腸炎の多くの新生児が、抗菌薬の治療にもかかわらず、死亡したり、長期間脳や肺の損傷を受けたりしている。ラクトフェリンは通常母乳中に存在する物質であるが、感染症や胃腸障害に対して有効である可能性がある。

試験の特性

感染症または胃腸障害の新生児の治療に、ラクトフェリン補充を用いた研究を検索した。

主要な結果

ラクトフェリンと抗生物質を併用し、敗血症や壊死性腸炎を治療した研究は、確認できなかった。感染症や腸炎の予防に対する有効性が認められていないため、早産児の感染症や腸炎の治療としてラクトフェリンを用いる可能性は低い。通常、感染症や腸の諸症状の際には、食事を与えない。今後、この問題に取り組む研究を行うことは推奨しない。

エビデンスの質

適格な研究を同定できなかったため、科学的根拠(エビデンス)の質を評価できなかった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2019.09.30]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD007138.pub4》

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