Read the full abstract
歯科治療の現場は、患者管理の一環として食事評価とアドバイスを提供する適切な場所である。しかし、それが食事行動を変えるのに有効であるかはわかっていない。
目的
歯科治療現場で行う一対一の食事介入が、食事行動を変えるのに有効であるかを、すべての年齢層において評価すること。その後の口腔と全身の健康の変化について、食事介入の有効性も評価した。
検索戦略
Cochrane Oral Health Group Trials Register(2012年1月24日まで)、 Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(Cochrane Library 2012、Issue 1)、MEDLINE(1950年から2012年1月24日)、EMBASE(1980年から2012年1月24日)、CINAHL(1982年から2012年1月24日)、PsycINFO(1967年から2012年1月24日)、Web of Science(1945年から2011年4月)の電子データベースを検索した。また主要な会議録(2000年から2011年7月13日までのIADRとORCA)も電子検索に含めた。関連する論文の文献リストと学位論文(1861年から2011年にオンラインで発表されている抄録)も検索した。未発表の内容を確認するために、適格基準に合った論文の著者とコンタクトをとった。
選択基準
歯科治療現場で実施された一対一の食事介入の有効性を評価するランダム化比較試験。
データ収集と分析
抄録のスクリーニング、適格性のスクリーニングおよびデータ抽出の決定は、2人のレビューアによって個別に2回行われた。レビューアの意見が別れた場合、コンセンサスは議論して得るか、または第三のレビューアの意見によって合意を得た。
主な結果
5つの研究がレビューの適格基準を満たしていた。そのうち2つの研究は、食事行動の変化に関するデータが報告されていたものの、予防のための広範プログラムの一つとして食事介入を行なったマルチ介入研究であった。単一介入研究の一つは、う蝕予防に関係していた。他の二つの研究は全身の健康状態に関するアウトカムに関係していた。歯の酸蝕症を予防することを目的とした食事行動の変化に関係した研究はなかった。5つのうち4つの研究では、プライマリーアウトカム変数の少なくとも1つで、食事行動の有意な変化が認められた。
著者の結論
歯科治療時に一対一の食事療法介入を行うことによって食事行動が変化するといういくつかの根拠がみつかった。しかしそれらの根拠は、砂糖の摂取量を変えることよりも、果物や野菜とアルコール摂取量を変えることを目的としたものが多かった。特に歯科治療現場に準じた、研究デザイン、統計解析ならびに報告方法など、より方法論的な厳密さをもった、さらなる研究が必要であろう。
Translated by:
Translation supported by: