臍帯静脈カテーテル使用中の新生児における罹病率および死亡率を減少するための抗生物質予防投与

著者の結論: 

UVCが新生児に挿入された場合の抗生物質予防投与を支持あるいは否定するのに十分なエビデンスはランダム化試験から得られていない。臍帯静脈カテーテル使用中の新生児で最初の培養により感染が否定された場合の抗生物質継続を支持あるいは否定するエビデンスはない。

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背景: 

臍帯静脈カテーテル(UVC)は、病的新生児で使用されることが多い。本カテーテル使用に関連する感染は、著しい死亡率および罹病率の原因となる。抗生物質の予防投与は、細菌定着および後天性感染リスクを減少させるため、臍帯静脈カテーテル使用中の新生児にその使用が擁護されている。抗生物質予防投与はカテーテル関連血流感染の予防に有効である可能性があるが、耐性菌株の出現を促進するという望ましくない影響を有する可能性もある。

目的: 

主要目的は、UVC使用中の新生児における抗生物質予防投与が死亡率および罹病率を減少させるか評価することであった。別々の比較において、臍帯静脈カテーテル使用中の新生児における抗生物質予防投与に関する2つの異なる方針を検討することとした。(1)UVC使用中の新生児における、プラセボ、無治療に対するカテーテル使用期間(または抗生物質投与の他の固定された期間)中の抗生物質予防投与の方針、(2)カテーテル挿入時に抗生物質を開始したが敗血症を除外するための最初の培養が陰性であった、UVC使用中の新生児において抗生物質投与を中止するか継続するかの方針。

検索戦略: 

MEDLINE(1966年1月~2005年4月)、CINAHL(1982年~2005年4月)、Cochrane Central Registers of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ 2005年、Issue 1)を検索した。本検索を2010年11月に更新した。

選択基準: 

UVC使用中の新生児が抗生物質予防投与、プラセボまたは無治療にランダム化されている、ランダム化比較試験および準ランダム化試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々に試験の質を評価した。

主な結果: 

1件の質がよくない研究が選択基準に合致した。高ビリルビン血症または多血症のための輸血目的で挿入されたUVCを有する29例の正期産新生児が非ランダムに(交互に)治療群(15例)または対照群(14例)に割り付けられた。治療群の新生児は3日間ペニシリンとゲンタマイシンの投与を受けた。抗生物質投与の15例中5例、対照群の14例中5例がカテーテル挿入後3日目に陽性の血液培養結果を示した。陽性を示したすべての血液培養は、感染の臨床的および血液学的徴候のエビデンスがないため汚染と判断された。したがって、敗血症のエビデンスがあると同定された新生児はいなかった。

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