メインコンテンツに移動

2型糖尿病成人の体重を減少させるための薬物療法

背景

肥満は2型糖尿病と密接な関連があり、長期にわたる体重減少は糖尿病の肥満者に行うべき治療法の重要部分である。

目的

2型糖尿病成人の体重を減少させるための薬物療法の有効性を評価する。

検索戦略

MEDLINE(1966年1月~2004年5月)、EMBASE(1974年1月~2004年5月)、Web of Science(1981年1月~2004年5月)およびこのほかの参考文献電子データベースをコンピュータで検索し、参照文献リストおよび選択した雑誌のハンドサーチで補った。

選択基準

2型糖尿病の成人の体重を減少させるための主要戦略として薬物療法を使用していたランダム化比較試験を組み入れた。言語および研究デザインの如何を問わず、既発表および未発表の文献を組み入れた。

データ収集と分析

2名のレビューアがデータを抽出し、自然減の可能性のほか、選択および測定バイアスを判定することにより、組み入れた研究の品質を評価し、Jadadスコアを得た。ランダム効果モデルを用いて効果を統合した。

主な結果

フルオキセチン、オルリスタットおよびシブトラミンについては、量的統合に利用できる研究の数は十分にあった。22件のランダム化比較試験を本レビューに組み入れ、フルオキセチンの試験の参加者は総数296名、オルリスタットでは2,036名、シブトラミンでは1,047名であった。薬物療法は軽微な体重減少をもたらし、フルオキセチンでは24~26週間の追跡時で5.1kg(95%信頼区間[CI]3.3~6.9)、オルリスタットでは12~57週間の追跡時で2.0kg(CI、1.3~2.8)、シブトラミンでは12~52週間の追跡時で5.1kg(CI、3.2~7.0)減少した。フルオキセチンおよびオルリスタットではグリコヘモグロビン値も低下し、それぞれ軽微な低下と著明な低下であった。オルリスタットでは胃腸の副作用が多く、フルオキセチンでは振戦、嗜眠および発汗が多く、シブトラミンでは動悸が多かった。研究デザインがさまざまであった一部の研究では、このほかの薬剤に関するデータが利用可能であり、マジンドールの3件の研究、フェンメトラジンの1件の研究、フェンテルミンの2件の研究で、体重の有意な減少が認められた。プソイドエフェドリン、エフェドラ、サートラリン、ヨヒンビン、アンフェタミンまたはその誘導体、ブプロピオン、トピラメート、ベンゾカイン、threochlorocitric acid、サートラリンおよびブロモクリプチンについては、選択基準に適合した試験が同定されなかった。

著者の結論

フルオキセチン、オルリスタットおよびシブトラミンは、12~57週間で統計的に有意な体重減少を達成できる。ただし、体重減少の程度は軽微で、長期にわたる健康利益は依然としてはっきりしない。シブトラミンの安全性は不確実である。2型糖尿病の人の体重減少または体重コントロールに対する他の薬剤のデータは不十分である。

訳注

Translated by:

Translation supported by:

Citation
Norris SL, Zhang X, Avenell A, Gregg E, Schmid CH, Lau J. Pharmacotherapy for weight loss in adults with type 2 diabetes mellitus. Cochrane Database of Systematic Reviews 2005, Issue 1. Art. No.: CD004096. DOI: 10.1002/14651858.CD004096.pub2.

Cookie の使用について

当サイトでは、当サイトを機能させるために必要なCookie を使用しています。また、任意のアナリティクスCookie を設定して改善に役立てたいと考えています。お客様がCookie を有効にしない限り、任意のCookie を設定することはありません。このツールを使用すると、あなたのデバイスにCookie を設定して、あなたの好みを記憶します。すべてのページのフッターにある「クッキー設定」リンクをクリックすることで、いつでもクッキーの設定を変更することができます。
使用するCookie の詳細については、Cookie のページを覧ください。

すべてを受け入れる
設定